台湾視察報告♪ | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

台湾視察報告♪

台湾での視察先および内容と、主な成果について報告します。(写真やYouTubeは7日にupします)


1.台北市立仁愛病院


教訓:日本も統一した社会保障番号を一刻も早く導入すべし

台北在住の友人にどこかためになる視察先ないかと訪ねたら、「台湾の病院、進んでますよ」と。視察したところ、結局、何か特別に進んだ技術があるわけではありません。ただ、夜遅くに普通に診察できるので、仕事帰りに普通に診察が受けられる。そして、生まれたときに全国民に付けられる身分証明番号(ID番号)によって、全てが管理されているから便利。保険証や免許証、税金や医療保険の番号が全部生まれたときから持っている番号に統一されています。そして、公立病院の診察券番号も同じID番号を使います。また、台湾政府が、フォーマットを政府が提供してまずは中規模以上の病院のカルテ電子化を進めている途中で将来的には全病院のカルテ電子化を目指しているとのことですが、同じIDがふられている事でデータの照合が一瞬にして可能となります。

どこかの国みたいに、番号もなにもかもばらばらなシステムゆえに、何をどうしようにも複雑すぎて手が付けられないような状態と違い、実に合理的だと実感しました。我が国は、まず統一ID番号をさっさと導入しないと、何も始まりませんな。


2.産後護理之家(産後母子ケアセンター)


教訓:日本でも産後女性がマルマル一ヶ月入れる施設を作ろう!

次は、同行した井戸代議士の琴線に触れる施設でした。たまたま、友人のれっちゃんワイフが赤ちゃん産んで数週間だったこともあり、日本にはあまりなじみのない「産後ケアセンター」の存在を知り、二つの施設を訪問することが出来ました。


要はこの施設は、産後の一定期間、お母さんと赤ちゃんが十分なケアのもとで過ごし、お母さんの体力回復と赤ちゃんを育てる上での知識を得るための時を過ごすところです。通訳の方に聞くと、台湾ではほぼ100%の女性が利用しているそうで、産後5日で病院出された後には自力でサバイバルする日本とは大違い!、と五児の母が驚いていました。これ、日本でも本格的に導入すれば、かなり需要はあるのでは! ちなみに現地の一泊料金は大体日本円で一万五千円、一ヶ月入って35万円くらいだということです。ま、現地の物価を考えると日本では倍位しても不思議ではない感覚ですが、日本にはない習慣と施設、大変勉強になりました。(ちなみに、出産費用は3万円くらいですから、一ヶ月間の合計出費は同じくらい。日本は、出産にも優しくないな-。)


3.台湾新幹線


教訓:(言うまでもなく)ガンガン輸出しても大丈夫。まるで、日本の新幹線!

このGWに、ちょうど前原大臣もアメリカとベトナムに新幹線セールスへ行かれておりましたが、我々はここ二、三年で開通した台湾新幹線に乗る機会を得ました。台北から台南まで、約一時間半の列車のたびでしたが、レールはドイツ製らしいけども、電車そのものは日本製、というか、日本の新幹線そのまんま。私が確認した最高時速294キロ出ており、走行中の揺れも停車出発時の自然さも、全く問題なし。皆さんも一度、お試し下さい。


4.南台科技大学


教訓:台湾と日本はもっと近くなれる! ただし、言語の壁をどう越えるかな?

この大学では、脳波によって意識を伝えることにより、ボタンを押したりしなくても意思をキャッチして(ベッドの起き上がりなど)機械を動かすことが出来る実用的な技術開発が進んでいる、というニュースをたまたまキャッチし、訪問しました。


技術開発の現場自体はそれなりで興味深かったのですが、何よりも楽しかったのが、学長と副学長がそれぞれアグレッシブであり、学生が生き生きとしていたことです。私らも相当好奇心旺盛で、学生寮の中までも含むありとあらゆる施設を根掘り葉掘り見させていただき、学生たちとも交流させていただきました。台湾と日本はもっと近づけるし協働できる、それが私の印象です。また、国際化をする上で立ちはだかる言語の壁をどう乗り越えるか、同じ問題を抱えているんだなと、日本の英語教育をしっかりビジョンを持って立て直したい、と考える私にとって、極めて刺激的な機会となりました。


5.台北市立蓬莱小学校


教訓:IT化や英語教育は、知恵を使えば金をかけずにできる(ことも多々ある)。

台北市の中でも、モデル校として進んでいる蓬莱小学校を訪問させていただきました。ここでの視察ポイントは、英語教育とIT。


まず英語教育に関して。台北では10年ほど前から、小学校一年生から週に三時間、英語の授業を行なっています。ちなみに使用教科書は、欧米で市販されている、非英語圏の子弟向けテキストブック。要は、わざわざ作るなどまどろっこしいことせずに、あるものを効率的に使っている、ということ。そして、この蓬莱小学校では、他校でもある週三時間に加え、週二時間をネイティブスピーカーとの授業に充てています。週に五時間、やれることを試しにやってみる、という感じでしたが、公立学校でここまでトライするか!、と思うくらいの内容に衝撃を受けました。

小学校内に、飛行機の機内やレストラン、郵便局などの模擬施設をつくり、そうした場での会話を練習するのですが、その設備の立派なこと。モデル校とはいえ、数年先にどれだけ成果が出るか、しっかり検証結果をフォローしたいと思います。


ITに関しては、特段びっくりするようなハイテク装置があるわけではないのですが、とにかく「工夫」していることに感心しました。昨日のブログで写真を載っけているリモコン装置、これ、おそらくひとつ数百円程度の安いものですが、これを各生徒に持たせて、「はい、では1分でこの問題解いて。答えを選んで、先生の方にリモコンで送ってください」みたいな感じで進めるのですが、ITですから回答率や回答の履歴も残り、管理もしやすくなっています。特に、「安く効率よくITを使う」という点に目がいきました。


授業の録画をしていることも興味深く感じました。教室内を二つのカメラで録画するのですが、校長先生も自分の部屋からそれぞれの教室の進捗状況を見れるし、親も後でですが教室内を見れるし、休んだ子どもも後日フォローできるし、先生同士はそれぞれの善し悪しを評価できるし、参考になりました。もちろん、何事も光ばかりでなく影もあるでしょうから、そちらも併せて検証する必要がありますけども。


まとめ



台湾は、極めて心地のよい、快適な国です。滞在中の天気がよかった、ということもあるでしょうが、語弊を恐れずに言うと、「日本的中国」のような感覚を持ちました。日本の方が進んでいる!、と思い込んでいる日本人もいるかもしれませんが、台湾の方が進んでいたり、工夫がされていたり、人間にとって快適であったりすることが盛りだくさんだと感じる視察となりました。


歓迎して頂いた視察先の皆さん、お世話頂いた皆さん、ありがとうございました!