世界銀行・James W. Adams 副総裁との朝食会 | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

世界銀行・James W. Adams 副総裁との朝食会

今朝は、世界銀行議員連盟の朝食会へ。東アジアおよび太平洋地区担当のJames W. Adams副総裁はじめ、この地域担当のマネージャー、局長が勢揃いされておりました。


アダムス副総裁はプリンストン大学においてMPA(行政修士号)を取得されているということで、私は隣町にあるペンシルバニア大学において同様の学位を取得していることから、大変な親近感を持って今日の朝食会に臨みました。ご挨拶の際、私のキャリアについてお伝えしますと、副総裁も親近感を持っていただいたようでした。


世界銀行側から、特に東アジア地区についての概要、重点分野について説明を受けた後、質疑応答となりました。私からは、ミャンマーと北朝鮮についての世界銀行のスタンスについてお聞きしました。


ミャンマーと北朝鮮、この二国(というよりこの二国の指導者)は、自らを世界政治から隔絶させてしまっていることで、それぞれの国民がとばっちりを受けてしまっています。一方で、この二国の国民ほど、アジアの中で厳しい環境に置かれた人々はいないわけで、これを単に「国の政治状況が悪いからどうしようもない」と考え、何も手を打たないでいいものかどうか、という議論はあってしかるべしと思います。


アダムス副総裁からは、北朝鮮、ミャンマーそれぞれに対する世界銀行の対応原則と今日における認識をお聞きしましたが、世界銀行内でも小さくない議論対象となっていることが確認されました。


もちろん、北朝鮮とミャンマーはひとくくりにできるものではありません。北朝鮮はIMFおよび世界銀行のメンバーではそもそもないこと、一方でミャンマーはメンバーでありますが、現在は債務不履行状態であり新規案件の取り扱いはありません。別物ではないにせよ、政治によって世界銀行をはじめとした手が届かない状況、届きにくい状況であること、それぞれの国民が大変な困難を強いられていることは、大変悩ましい問題です。


結局は、両国はじめこうした国々を世界政治の最低限のルールの枠組みに入れなくてはいけないこと、どうしても入らないならば、その国の国民および人類のためにも、そうした国の指導者に対して世界が毅然と行動を取らなくてはならないことを再認識したところです。


ただ、必ずしも「民主化」がルールだというわけではありません。民主主義ですら、500年、100年後には古いシステムになっている可能性がないわけではありません。世界銀行議連の高村会長が私の後に発言されていたのは、「北朝鮮は世界を危険にさらしているが、ミャンマーはそこまでではない」とおっしゃっていました。なるほど、これも一つの尺度です。実際、上述の通りミャンマーは新規案件はないにせよ対象国であり、先のミャンマーサイクロン被害に対して世銀はASEANを通じて手をさしのべています。


世界銀行のスキームは、ひとつの国家ではできない貢献ができるものと私は理解しています。同時に、その貢献スキームを検証し、進めて行くのは出資国の意思によって進化するものです。私も、日本国が単に長年の惰性でなく、意志を持って国際貢献できるように、今後も積極的に議論に参画していきたいと思います。


めざす未来へ、情熱政治。石井としろうWeb演説会