ネットビジネスイノベーション政策フォーラム
本日、“慶應義塾大学SFC研究所ネットビジネスイノベーション研究コンソーシアム”(長い!)の主催で、『ネットビジネスイノベーション政策フォーラムキックオフ シンポジウム』(これまた長い!)が東京・半蔵門で開催されました。
そもそもこのシンポジウムは、ネットビジネスの可能性はまだまだいくらでもある中で、他業種と比べて政治との距離が比較的遠いために、本来の潜在的可能性を花開かせずにいるネットビジネスの現状を打破することを目的としています。つまり、政治との健全なコラボレーションを図るために、今後何をどうしていこうか、ということをクリアーにしていくための土台作りと言えます。
私は、慶應大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の一期卒業生だということ、そして総合政策学部の国領学部長が、元SFC助教授の鈴木寛副大臣にこの企画を持ち込んだところ、自分は副大臣で身動きが取りにくいので石井君がフットワーク軽い、と指名され、ノーと言えるはずもなく、いや、このシンポジウムの趣旨に賛同し、そして積極的な役割を果たさせていただきました。
シンポジウムでは、グーグル村上名誉会長、マイクロソフト堂山副社長、ソフトバンク孫社長、と言ったIT覇権企業のトップがネットの創造的活用による日本再生についての提案を行い、総務省内藤副大臣、経産省近藤政務官、内閣府津村政務官がそれぞれITビジョンを語った後、鈴木文科副大臣、国領学部長を中心としてパネルディスカッションが行われました。この模様は、SFC研究所で近々報告されるでしょうからここで内容を細々書くことはしませんが、なかなか中味のあるシンポジウムと感じました。
私がネットビジネスに関して思うのは、次のようなことです。
ネットとは何か、ITとは何か、ネットビジネスに従事している人たちの視点でなく、普通に暮らすおばちゃんが、主婦が、あ、便利だよね、重要だよね、そう思えるリアリティを示さなければ、いつまで経っても「玄人」や「好きな人」のための技術でしかありません。
ネットに関する悪い例を挙げると、結構ありますよね。官庁や自治体のIT化なんて悲惨な例のオンパレードです。パスポートの電子申請なんて誰も利用しないし、住民票がネットで取れたところでそんなに便利と思う訳でもなく、庁内の電子化が進んだことでサービスが向上したとも実感できない、こんなことは誰もが感じていることです。二年前に、確定申告をネットでやりましたが、最後は意地でやりきりましたけども、何度も税務署に直接足を運ぼうと思ったものです。
情報政策をしっかりやるには新しい省庁が必要だ、なんて声も聞こえますが、別に組織を作って問題が解決するはずもありませんから、要はおばさま方にわかるリアリティの追求が一番、と思います。
例えば医療。遠隔医療をより大胆に、広範に認めるための診療報酬制度とすれば、どれだけへき地の医療需要が満たせるか。薬のネット販売も、リアリティある分野です。そして教育。IT化、情報化というけど、どれだけ子どもの学力が上がるのか、とか、どれだけ教師の管理負担が軽減されるのか、とか、目的を明示することでリアリティは高まると思います。環境も、単に「環境にこそIT」なんてわかったようなこという評論家は多いですが、具体的に何をどうしたらどれだけの成果と成長とCO2削減につながるか、大志とともにリアリティを示していくことで、具体的な法改正、税制改正、施策につながるというものです。
今日、ネットに新しいプラットフォームができあがりました。同僚同期の議員にも多く足を運んでもらいました。リアリティある情報政策、これを政治のリーダーシップを大いに発揮し、一つ一つ実現していきたいと思います。