韓国視察報告 その2【韓国文部科学省】 | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

韓国視察報告 その2【韓国文部科学省】

韓国文部科学省



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初等学校訪問の翌日、韓国文部科学省へ。対応いただいたのは、E-Learning Support Divisionのパク副局長。昨日のチョイル初等学校はじめ112校のパイロット事業を統括している部署です。

これまでに文献で調査し、チョイル初等学校で現実を見、その中から出てきた疑問に答えていただきました。


そもそも論ですが、日本と韓国では、教科書の作成・開発の主体が異なります。日本は、教科書会社が教科書を作成し、それを国が検定をするのが原則です。一方で韓国には、国定・検定・認定教科書という三つの概念があります。初等学校(小学校)の教科書は、主要教科はすべて国定であり、小学校3年から使う英語の教材は検定方式、中学の教科書は検定方式が主体、ということです。


ここで、国定教科書の強みが出てくるわけですが、検定方式は複数から学校なり教育委員会の意見で教科書を選べる、という利点はありますが、私が取り上げるデジタル教科書の開発に関しては、国定の方が国のリーダーシップが発揮しやすくなる、といえます。実際、韓国は小学校教科書が国定であるからこそ、このICT教育事業が進められていると言えるかも知れません。


ヒヤリングの内容ですが、まず、予算。文部科学省が教育学習情報院(KERIS)に作らせるわけですが、一科目につき5億ウォン、小学校5年、6年の10教科で50億ウォンですから、一教科4,000万円、10教科で4億円の予算といったところでしょうか。英語に関しては、小学校3年から6年用のをそれぞれ開発中で、それぞれ10億ウォン、つまり8,000万円かけているそうです。


そして、パイロット事業を実施しているのは2008年には20校であったのを2009年には112校、対象となる生徒は8,000人弱で、266クラスで実施しています。2008年の予算は200億ウォン、2009年の予算は45億ウォンですが、これは、2008年には国の予算で個々の生徒用のPCなどを購入したため、ふくれあがったそうです。


私が一番聞きたかったのは、このICT事業の評価についてです。現在集計中だそうで、調査結果については全容をお聞きすることが出来ませんでしたが、チョイル初等学校も中間報告を11月に文部科学省に届けたと言っていたので、程なく、集計結果がまとまると考えられます。学習効果や好奇心の刺激について、決して悪い評価ばかりではないようですが、この調査には、子どもの視力低下があるか否か、健康被害があるか否か、を調べるそうで、こうしたデータを8,000人もの数で、数年にわたって集計するというわけですから、かなり興味深いものです。今後、この点に関してはしっかりフォローしていきたいと思います。言葉が適切かどうかわかりませんが、韓国のパイロット事業が大規模に進んでいることで、日本がこのICT教育を進めるかどうかについての大きな判断材料になると、私は確信しました。


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