【環境】ごみ問題に正面から取り組もう | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

【環境】ごみ問題に正面から取り組もう

■動く市民


 先日、『市民力』を感じるニュースを耳にしました。ゴミの減量作戦に関するものですが、西宮の甲東地区1,100世帯が「ゴミダイエット作戦」を実施し、ごみ収集車に計量器を取り付けることによってモチベーションを高め、実際に4%の減量で、西宮市全域で一年間実施できたとすると3,600トン相当ということですから、結構な量です。テレビでも放映されましたので見られた方もいらっしゃるでしょうし、実際に張本人の方もいらっしゃることと思います。これまでは廃棄していた食品トレイをスーパーに持ち込んだり、生ゴミを乾燥させてから出すなどした努力が結果に結びついたようです。深刻だといわれ続ける環境問題に対し、市民は何らかのモチベーション(動機づけ)とそのための方策をはっきりさせれば、政策も支持するし実際に行動もする、ということが明らかになったということで、大いに感じ入りました。



■埋め続けの限界


 一方でゴミ問題の深刻さを伝えるニュースの方は限りありません。私たちが日々の生活で使用する様々な物品は基本的に『買う→使う→捨てる→焼却する→埋める』というプロセスを経ています。私たちには、このプロセスは永遠でないことを悟る必要があります。
 大阪湾広域臨海環境整備センター(フェニックスセンター)によれば、これまで焼却灰を受け入れていた尼崎沖の埋立地がほぼ満杯となり、今年3月末時点で現在の六甲アイランド沖の半分を埋め尽くしました。今後は平成33年までの廃棄物を大阪市沖にて埋立てが計画されていますが、その後の整備は未定です。海は無限だから大丈夫、ですか?
 いや、それよりも「焼いてその灰を埋める」発想を何とか乗り越えて、できることならもっと未来に胸を張れる対応をしたいと思うものです。


■大量廃棄社会からの脱却へ


 そんなことを思いつつ、先日、芦屋市の環境処理センターと西宮市の西部総合処理センターの見学にお伺いしました。それぞれ伊藤舞芦屋市議、田中渡西宮市議にご同行いただいたおかげもあり、しっかり学ばせていただけました。芦屋市は115トン/日の炉が二基保有、西宮市は浜に175トン/日の炉が三基と、松原町に120トン/日の炉が二基あり、それぞれ相当量の焼却処理と、リサイクル処理が行われています。西宮では廃熱発電も行われており、両市とも排気処理には相当神経を使っておりますし、技術の進歩には目を見張るものがあります。その中で、実際にリサイクル過程の素材分別は両市とも手作業に依存していますし、ゴミを見ているだけでも現代人の豊かでわがままな生活が本当によくわかります。
 OECDのデータによれば、日本人の一人当たりのゴミ排出量は年間410キロで、決して多いほうではありません。一方で環境先進国といわれるドイツは州によっては100キロ程度であり、私たちができる努力はまだまだあります。特に過剰包装や使い捨てには政治の介入によってよりシンプルに変化させていかねばなりません。もはや、環境やリサイクルを言葉だけで取り組む段階でなく、大量生産・大量消費・大量廃棄の20世紀の悪しき慣行を乗り越える政治を切り替える段階に差し掛かっています。
 その意味からも、政権交代は必要なのです。