【政局・政治姿勢】世界の常識、「政権交代」への道 | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

【政局・政治姿勢】世界の常識、「政権交代」への道

■自民党政治の末期的症状

 自民党政治の末期的状況はもはやとどまるところを知りません。ピークに達する年金不信、世界でも類を見ない年齢差別による後期高齢者医療制度、前近代的な発想による道路予算の強行確保、膨大な財政赤字、対中・対米に何の主張もできない外交などなど、もはや修正の余地は全くないと言わざるを得ません。ただでさえ地球温暖化問題や世界的な食糧・エネルギー需給逼迫という超難問に直面せざるを得ない中で、国民にとってこの政治状況は不幸以外の何物でもありません。

■世界の潮流、政権交代

 民主主義の最大の特長は、選挙を通じて国民が直接政権を選択できることにあります。そのベースとなるのが二大政党制であり、一方の政治に失敗や行き過ぎがあった際には、もう一方の勢力へ選挙を通じて政権が交代し、前政権の政策を是正し、間違いを正していきます。最近では、世界各国ではこうした政権交代が常識となり、激しい政権獲得競争を通じて政治勢力同士が切磋琢磨を繰り返し、結果として質の向上に寄与しています。政権交代がなくとも、政権交代可能な政党が競い合うことによって選挙の関心が高まり、自ら支持する政策のリアリティ(現実味)も高まります。
 世界的にも政権交代で有名なのがアメリカです。いまやブッシュ政権のイラク戦争やサブプライムローン問題に象徴される経済政策の失政が、大統領選挙を通じて正されようとしています。少し前では、1997年にイギリス労働党のブレア党首が「Education, education, education!」と教育再生を軸に訴えて鮮やかに首相へ就任したことが鮮明に思い起こされます。


■擬似政権交代

 世界の中で、なぜわが国だけが政権交代の波から取り残されてしまったのでしょうか。それは、自民党の中でクビをすげ替え、あたかも政権交代が起きたかのような錯覚を国民に与え続けたこと、つまり「擬似政権交代」の繰り返しが自民党の延命につながり、本質的な問題解決を先送りし続けたのです。 
 擬似政権交代の典型は、超低支持率の森喜朗首相から小泉純一郎首相へと交代し、あたかも政権交代が起きたかのような錯覚を国民に与えたことがありました。その一方で、与党を構成する自民党の面々に何ら変わりはなく、もちろん官僚幹部が交代することなども全くありませんでした。表の顔が変わっても、その他大勢が全く変わらない中で政治が変わるはずもありません。古くは田中角栄から三木武夫へ、竹下登から宇野宗佑、海部俊樹への「擬似政権交代」に、日本人はだまされ続けてきたのです。


■マニフェストブームからの脱皮


 もはや、この擬似政権交代の構造に、ほとんどの皆さんが大なり小なり気付いています。あとは、民主党サイドがその力量と気合と情熱を示せるか、ということにかかっています。つまり、民主党の政権担当能力をあらゆる層に示すことです。一般的な民主党支持層と言われる方々だけでなく、大企業経営者から個人事業主、主婦、高齢者、学生に至るまで、あらゆる層を対象とした政策をパッケージとして、それもわかりやすく示す必要があります。
 その流れから注目を集めたのがマニフェストです。ただ、ここ数年のマニフェスト運動は一種のブームであり、政権の姿をわかりやすく示したものにはまだ遠く、検証も不十分と言えます。
民主党の私たちが英知を結集して、本当に実効的かつ明快なマニフェストを提示できたその時に、政権交代が実現し、国民の皆様にとっても未来への光明が見出せることとなるはずです。






世界の二大政党:政権交代情勢


オーストラリア
保守連合 労働党
ハワード前首相 ラッド首相
地球環境問題に対する消極的な姿勢などが政権の命取りに。200711月政権交代。


フランス
国民運動連合
社会党
サルコジ大統領
ロワイヤル元環境相

2007
4月に実施。欧州一高い失業率対策などで激しい議論が。投票率はなんと約90%。


アメリカ
共和党

民主党
ブッシュ大統領

オバマ上院議員
マケイン上院議員
クリントン上院議員
イラク戦争やサブプライム問題の是非を問う大統領選挙がただ今、真っ最中。11月本選挙。



イタリア
右派連合「自由の人民」 中道左派「民主党」
ベルルスコーニ首相 ベルトローニ前ローマ市長
ブローディ政権側の汚職疑惑にまつわる政治混乱の末、総選挙が実施、政権交代へとつながった。

大韓民国
新千年民主党
ハンナラ党
盧武鉉前大統領 李明博大統領
経済無策と批判された前政権に代わり、政権交代によって10年ぶりの保守政権が誕生。

日本
自由民主党  民主党
福田康夫総理 小沢一郎代表
国民の信頼を失った自民党政権に対し、民主党が国民の信頼を得られるか、世界中の注目が集まる。