地域の農業を真に元気にする政策をこそ強化しましょう
そのために、以下の事々について整理がなされなければならないのです。
・きっちり利益を生み出せること、生き甲斐があること、そのために必要なことは何かについて、しっかり整理されなければならない。
・また、農外の株式会社の儲け主義で農業政策を進めていいのか。
・家族農業か、または、それを超越して、法人化、共同経営、地域の仲間による法人化、JA等協同組織の取り組みになるのか。
・政策の方向として、「目指す方向」が定まっているのか、定まっていないのではないのか。なお、このことは、政府だけの責任でなく、与党の国会議員の間でも定まっていないし、内閣内でも定まっていないのではないのか。
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それは、決して資本を投下した儲け主義ではないのであって、自然相手であることや、生産の喜びや、安全・安心を届けるということであって、それは株式会社が万能ではないはずです。もっとも、「株式会社で財産を守れる」、「発展させられる」と言うならそれでいいのかもしれないのですが、果たして、そうなのか。ややもすると、資本の論理で儲け主義に走ることにならないのでしょうか。
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また、地域農業の特性や制約ある農地所有の問題もある。
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また、株式会社による農地の共同利用については、町や村の思想や、人・農地の実態がそれを許すのか、きちんと絵を描けるのか、ということもある。
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農業の協同の特性や、地域の特性や、自然・災害もある。
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改めて、家族、協同、地域、そして稼ぎの在り方が問われる。
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また、家族・地域等の単位はともかく、協同の取り組みが共感され、良きことと認識されていないと、家族も地域も協同の取り組みも壊れてしまうことになりかねない。
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儲けは必要だ。しかし、その手法として、どんな方策が「正しい」のか。
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お互いの配慮か、儲けを実現できる方策に確信はあるのか、規模か、技術か、政策か、また一方で、作物の特性もある。
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そして、人間の営みとして、何が大切なのか。営みの核でもある利益や、やりがい、人生、家庭、協同、共感、みたいなものも含め、人間の活動、仕事、稼ぎ、人生、地域、家族等々も含めた思想が求められるのです。
(これらのことが軽視される形で優勝劣敗で進もうとしているのではないのでしょうか)
四つは、改めて、食は、自然は、稼ぎは、生活は、どう守れるのか、維持できるのか、生き甲斐はあるのか、について、思想が必要であり、そのための手段について思いを致す、というか、理念が、そしてルールがあるべきだと思う。それをきちんと訴えられているのか、整理されているのか、詰めなければならない。
この思想・理念の上に立って、具体的な手段が、ルールが、政策が、積み重ねられるべきです。
もちろん、社会は回っている、動いている、複雑で多様です。しかし、そこに、政策として何かが必要なのだが、そのことが生かされていない。忙しくて、見失っているのだと思います。
そのために、まず、家族で、親類縁者も含めた協同で、そして気候変動や、村の協同を守るための理念や、活動の方向や、律し方を整理して、示さなければならないのだと思います。
競争だ、効率化だ、と言うのでなく、もっと、理念的というか、努力する方向というか、それが必要なのです。
今、進もうとしているのは、複雑で、利害多様な中で、それを整理できずに、当面の事々に動かされているというだけなのかもしれないのです。だからこそ、複雑極まりない中で、この方向で、納得できる、合意を得られる、これで頑張ろう、というものが求められるのだと思います。
五つは、それは一体、何なのだ。そのことを冷静に考え、詰めることを、国民が、政府が、団体が、個々人が、考えねばなりません。まず、JAグループも、その検討を進める必要があります。