兵庫県養父市の国家戦略特区の取り組みを訪ねました | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

兵庫県養父市の国家戦略特区の取り組みを訪ねました

ここ数年間、ずっと考えていたことを実行に移しました。

それは、兵庫県養父市で実行に移されている国家戦略特区を訪ね、現場の様子と、努力されている皆さんの声を直に見て聞くことを行ったことです。

森山国会対策委員長からは、数年前から、一度、養父の特区を見てみたいものだと聞いていた。養父の特区がスタートした時の農林水産大臣だったということで常に心配されていたのだと思います。  

私はというと、菅前官房長官が総理大臣になられ、そして、森山先生が国対委員長に再任されたという状況の中で、森山委員長とご一緒出来るか懸念があったのですが、総裁選とその後の多忙な中で、「この日程なら行けるぞ」とおっしゃっていただき、日程的には奇跡的な状況下ではあったが、ご一緒することが出来ました。おかげで、私一人が行くのとは異なり、養父市長をはじめとする役所の関係者、特区に参画しておいでの会社の代表の皆さん、JAの皆さん、地域の自治会の役員の皆さんのほか、多くの関係者との懇談が出来ました。

 

 

 

 

【市内13カ所の特区のうち、能座地区を訪問】

姫路から養父に向かい、養父市内には13カ所の特区の取り組みがありますが、圧倒的な山間地の「能座」地区で、2つの企業が参入した最も典型的な参入の形を見て取ることが出来ました。現地を見て、そして関係の皆さんが一堂に会して意見交換が出来ました。現地では、当地を選挙区とする谷衆議院議員も出席された。

「能座」地区は、圧倒的な傾斜地の稲作地帯であり、本当に美しい景観の集落だ。特区に指定され、企業が参入する6年前は、16ヘクタールの農地の半分が休耕地・耕作放棄地だったが、今はすべて再生されているという。

 

一番の驚きは、山の頂上付近から3つの谷川が流れ、その谷に沿って、多くの小さな田んぼが段々にあり、家々も数戸ずつかたまって山裾や中腹にある。周囲の田んぼも荒れておらず、しっかり作付けされている。本当にきれいな山の斜面の集落だ。黄色に染まる稲田も、間を流れる谷も、そして列をなして山から下る小高い森も本当に美しい。ここが、養父の典型的な景観なんだと、目を見張った。

 

【能座地区に参入している2社が参加し、意見交換しました】

傾斜の激しい地区の中腹にある公民館で、市長さん、参入企業の(株)Amnakと、(株)兵庫ナカバヤシの社長さんや幹部の皆さん、JAの組合長さんはじめ役職員の皆さん、そして集落の自治会役員の皆さんとの会合となった。

参入企業の、(株)Amnakは、酒米の生産と日本酒の製造・販売を、(株)兵庫ナカバヤシは、製本業であり、閑散期にニンニクを栽培し雇用と技術を守っているという。こうした取り組みで、「能座」地区では、16.6ヘクタールの農地のうち、8.4ヘクタールの休耕田をすべて再生できているという。

また、(株)Amnakは、酒米を生産しているのだが、「能座」地区だけでなくて、他の地区の集落にも栽培を広げていて、国の補助事業でライスセンターを建設し、酒米だけでなく、JAと競争してうるち米も集荷しているという。他の地区も、同様に高齢化しており、こういう発展の形は必然かもしれないが、しかし、これまで、地域に張り付き、協同の取り組みを積み上げてきている「JAたじま」は気が気でないと思う。地域を混乱させ、地域を分断させかねないのだと心配しているのです。私は、人生の大半を過ごしたJA出身なので、JAの心配はよくわかります。

一方、(株)兵庫ナカバヤシは、ニンニクを生産しているのですが、その販売については、JAたじまの店舗も活用する形で販売

するなど、地域の取り組みに配慮しているという。

 

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