愛媛県のみかん産地の崩壊と再建に向けた取り組み
愛媛県のみかん産地は、数知れない多くの園地の崩壊と海岸道路を乗り超えての海への流亡が生じた。そのため、復興対策は、被害の状況を踏まえて、出来る限り被災前に近い形状で復旧する「原形復旧」の取り組み、被災した急傾斜地を緩傾斜地に改良して復旧する「改良復旧」の取り組み、周辺の未被災園地を合わせて広範囲で区画整理する「再編整備」の取り組みに分ける形で対処することとしたのです。
そして、そのために必要な対策として、
一つは、壊されたモノレールの復旧や、JA等の選果場の復興や他産地への手伝いなど、雇用の確保を工夫したことです。
二つは、園地の復興は、隣接する園地も含めて、新たな視点での 開発や新しい品種の導入を進めることとしたことです。
三つは、集出荷施設の復旧にあたり、JAの区域を超える統廃合やその整備に、被災者の雇用を進めたことである。
当然、こうした取り組みは、市町村・県・国が関わって進められたし、政策や予算等についても、関係者の話し合いを重ね、みかん園の再建図を描くなど、今までの仕組みを超える形で配慮されたという。
【背景にあったのは、担い手の高齢化の中で、新しい力強い産地づくりの熱意】
連続した台風による被害は、甚大なものであった。各地では、復旧に努力されており、ともかく深刻な被害を当面は元に戻す、生活できる状況に戻すことが急がれます。多くの被災者からすると、当然です。ともかく、生活できる形を早く整えたいということだと思います。
だが、その一方で、将来に向けての創造的復興をどう進めるのか、考えてゆかねばならないということです。すなわち、破壊された地域の農業や、水田や畑地をどう整備し、将来につなげていくのか。どうしてもこれらのことを地域で話し合う取り組みがなされなければならない。愛媛県のみかん産地においても、同様だったのだと思います。
こうした中で、産地の皆さんにあった思いは、圧倒的な高齢化の下で、地域の農業を誰が支え、誰が担うのか。そのことを地域で考え、取り組むことを徹底した話し合いの中で作り上げ、そして今懸命に取り組まれたのです。
江藤農林水産大臣には、私の質問の意義を率直に受け止め、答弁をいただいた。問題意識は全く一緒でした。