日中の緊張関係がもろに反映 | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

日中の緊張関係がもろに反映

 全国人民代表大会(全人代)と並ぶ中国人民政治協商会議の常務委員でもある陳氏との懇談は、これまでの私と陳氏との間で交わされてきた日中間の農業農村政策の話から一転して、極めて政治的なものになりました。私も日本の与党の政治家であることを陳氏が意識したのかもしれませんし、尖閣諸島問題から端を発した日中の緊張関係が原因かもしれません。これまでの農業農村改革から市場改革、経済改革、そしてこれからの党改革、経済発展、中米関係、そして安倍政権との関係等々、話題は尽きず、時間が過ぎました。


 日中関係については、「お互いの国が、それぞれの認識の違いを認めあうこと」「両国の長い歴史と2国間の大切さを、認めようとしないのはお互いに反省すべきだ」というものであり、農業農村問題については、「日本が、時間をかけて農業の諸制度をつくったこと、農民組織を育成してきたことが素晴らしいこと」「アジアの国々は、新大陸の国に比べて競争力が劣る、だから各国の農業の発展と文化を守ることが必要だ」「長い歴史の中で、アジアの農業地帯には集落があるが、新大陸にはない、同じ文化の日中はお互いに協力してゆける」というものでした。そして、私との関係については、「長年の友人として、農業と経済の発展のために、努力しよう、一衣帯水の国じゃないか」ということでした。この部分は全く同感です。


 翌日、8年前のジュネーブでのWTO交渉でご一緒した木寺中国大使と懇談の機会をいただきましたが、未だ首脳会談も開催されないという緊張関係の中で苦労がある様子でした。頑張っていただきたい。


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