もう、皆さん動画観たかと思うので、あえて貼りませんが、例のすったもんだのディランに贈られた賞の授賞式のことです。
僕なんかはもう、正直どうでもよく
当日ディランは先約があり欠席し代わりにディランをリスペクトしている若手の歌手がディランの代理で授賞式で歌を唄うと聞いても、
あっ、そう
くらいにしか気にとめてなかったんですよ。
ネットで昨日その代理人が、パティ・スミスだとわかり、若手じゃねーだろくらいにまず思ったくらいでさ。
で、僕はおことわりしときますが、熱心なパティ・スミスのファンではないのですよ。
そんな僕はそのパティ・スミスがディランの(はげしい雨が降る)を唄った動画を観ながら激しく感動してしまった。
パティは目を閉じて椅子に座り
あわあわと唄ってるようにみえたが、よく聞くと若干ディランの節回しも意識してるようだった。
歌い出しから3番目の頭あたりだろうか
パティはうまく唄えず口ごもってしまった。
『ごめんなさい』と言ってからまた唄いだすのだが、また、つまってしまった。
パティは『ごめんなさい、緊張してるのやり直させて』と伴奏をしていたギタリストにでなく、オーケストラの楽団にでもなく、誰かに言った。
僕はその瞬間、号泣してしまった。
物凄く美しいものを観てしまったのだ。
パンクの女王が
ニューヨークにさえ行けば、ディランに会えると夢見ていた少女は、ディランの代わりに唄っていたのだ。
いろいろ思い出して、歌詞がとんでしまったのかもしれない。
会場の暖かい拍手に送られ、パティは歌を再開し、唄いきった。
あの、誰に言ったかわからないけど
『ごめんなさい』
もしかしたら、ディランに言ったのかと
そんな気がしました。