死刑にいたる病 | 大原浩の金融・経済地動説

死刑にいたる病

 

阿部サダヲ、岡田健史、岩田剛典、宮﨑優、中山美穂他

125点

 

「凶悪」の白石 和彌監督の作品だが、期待を裏切らない完成度である。

 

古くはロンドンを震撼させた切り裂きジャック、さらには米国の「ゾディアック」などシリアルキラーは多くの小説や映画の題材になってきた。

 

それらのシリアルキラーのほとんどは、日常生活では良き隣人であり、それゆえなかなか彼らを逮捕することができず、被害を拡大することになる。

 

本作品で阿部サダヲが演じるシリアルキラーも、まさに良き隣人であり、23名(24名)の犠牲者を出す結果となった。

 

よく。犯罪者が捕まった後の隣人へのTVインタビューで「まさかあの人が?いい人なのに・・・」というコメントを聞くが、その典型例であろう。

 

そして、その裏表のある人間を阿部サダヲが演じることで、(フィクションの中での)リアリティが高まる。岡田健史も、阿部サダヲに翻弄される青年を上手に演じているし、宮﨑優も良い。

 

だが、特筆すべきは、息をつかせない物語展開である。良い意味で期待を裏切りながら、展開していく物語の構成が絶妙だ。

 

ラストで宮﨑優の「秘密」が明らかになるエンディングもよくできている。

 

https://eiga.com/movie/95557/