スパイラル ソウ オールリセット
★スパイラル ソウ オールリセット
クリス・ロック、マックス・ミンゲラ、マリソル・ニコルズ、サミュエル・L・ジャクソン
95点
ソウシリーズの第1作~第8作はどれも素晴らしく、本ブログの満点=150点に匹敵する内容だ。
今回が9作目となるわけだが ,タイトルの「オールリセット」が示すように8作目までの流れが断ち切られ、「新たな物語」が始まる。
ただ、ありがちなことだが、偉大な作品の「後続」は大したことが無いということを今回も証明してしまった。
「刑事もの」の要素を取り入れたのが大失敗だと思う。確かに、米国の警察の腐敗はひどく、悪徳警官は成敗すべきだ。だが、それだけでは、藤田まことの「必殺シリーズ」と変わらなくなってしまう。
ソウシリーズの魅力は、身勝手な論理ではあるが「ジグソウの哲学」が終始一貫しているところである。極限状況における「人間の精神」について語る作品なのだ。
だが、本作品は単なる「復讐(刑事)もの」になっている。主演のクリス・ロックの演技も無難ではあるが、何も感じない。
また、本作品とは関係が無いが、クリス・ロックはアカデミー賞平手打ち事件で有名になった。女性の脱毛をあざ笑うような輩が、物語とはいえきちんと成敗されないのも引っかかる。
ラストシーンだけはそれなりの出来だと思う。ジグソウの後継者?の今後の活躍に期待したい。