審判(1963年) | 大原浩の金融・経済地動説

審判(1963年)

備忘録:映画レビュー:観た映画

 

★審判(1963年)

アンソニー・パーキンス、ジャンヌ・モロー、ロミー・シュナイダー、オーソン・ウェルズ

エルザ・マルティネリ、シュザンヌ・フロン、マドレーヌ・ロバンソン、マイケル・ロンズデール

100点

 

フランツ・カフカの原作をオーソン・ウェルズが監督して映画化。彼は弁護士役でも出演している。

 

原作は全体としては未完だが、概ね原作に忠実に映像化されているようだ。

 

生前、カフカ自身が知人の前で色々な作品を朗読したが、友人たちの笑いをとるため身振り手振りを加えて面白可笑しく語っという逸話が残っている。

 

作者自身は、コメディとしてとらえていた可能性がある。確かに笑いの本質は「不条理」であり、シリアスな「不条理劇」と表裏一体の関係にあるのかもしれない。

 

製作国が、フランス、イタリア、西ドイツであり、オーソン・ウェルズが監督したにも関わらず米国が絡んでいない。

 

フランス版シャーロックホーズの作品を観たことがあるが、女っ気が無いはずのホームズが、事件そっちのけで恋愛ライフを楽しむというような内容であった。

 

本作品も「男女の愛」に重点が置かれ、フェリーニ監督の「8 1/2」を思い起こさせる。

 

「不条理な事件」に巻き込まれる恐怖というものはそれほど感じられないが、「幻想的」な世界はそれなりに描けていると思う。

 

まだコンピューターが一般に普及する前で、人間のコンピューター(元々計算する人という意味)が画面を埋め尽くすシーンがある。このシーンが最も印象的だといえるかもしれない。

 

エンディングは、ちょっといただけない・・・・

 

https://eiga.com/movie/45735/