リセット | 大原浩の金融・経済地動説

リセット

備忘録:観た映画
★リセット
ヘイデン・クリステンセン、タンディ・ニュートン、ジョン・レグイザモ、ジェイコブ・ラティモア他
100点

...

もっとも恐ろしいものは何か?といえば「理解不能なもの」ということができるでしょう。

例えば日食は、古代においては凶事の前触れで、太陽の光が遮られると、人々は「この世の終わり」を予感し恐怖におののきました。しかし現代においては、日食が起こる日時を正確に予測することができ、人々はショーとしての天体観測を楽しみます。

また「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という言葉もあります。「一体なんだ?」という正体がわからないうちは恐ろしくても、その正体が分かってしまえばどうってことは無い場合が大半です。

さらに、怪物や幽霊も名前を付けてしまうと恐怖が薄らぎ、藤子不二雄の漫画の「怪物君」のドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男のような愛すべき存在になります。水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」でも同じことが言えます。

本作品は、最初から最後まで「わけがわから無い状態」が続きます。エンディングさえももう一つ意味をつかめません。したがって、物語そのものはB級どころかC級以下です。

ところが、本作品からは強い恐怖を感じます。「得たいが知れないものが、最後まで正体がわからない」まま終わるところが、この作品のポイントです。

大概の作品では、その恐怖の正体が最後にはわかってしまい「なんだ・・・」という安堵感が与えられるのですが。本作品には全くそれがありません。したがって、娯楽作品というよりは、もう少し深い人間の深層心理に迫った映画です。

また、映画の中でも触れられていますが、「この世の終わりに罪深い人は消失し信仰の深い人だけが天上に召される」という「ラプチャー」を信じる過激なキリスト教徒は米国に多数存在し、その考え方は一般に流布しています。

エンディングの設定も「無垢な魂だけが生き残る」という意味で、この「ラプチャー」の考えに大きく影響されているといえるでしょう。

ちなみに、米国では「人体自然発火」などという奇妙な現象がよく報告されます。人間が寝ている間に自然に体に火が付き、跡形も無く焼けて灰だけが残るという現象です。

これは、ある牧師の「アルコールばかり飲んでいると、体がアルコール化して燃えてしまうぞ!」という説教が、全米に広まった結果のようです。

他の国で「人体自然発火」などという奇妙な現象が報告されていないことを考えても、「禁酒法」を実現させた狂信的なキリスト教徒が「人体自然発火」流布の犯人と考えても不自然ではありません・・・

米国の文化を考えるときに、この国が狂信的キリスト教徒達によって建国されたことを忘れることはできません。

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