東信会『絆』通信
健診項目について①
肥満と高血圧
医療法人社団東信会
世田谷リウマチ膠原病クリニック新宿本院
新宿スカイビル健診テラス
東信よしだ内科・リウマチ科
世田谷リウマチ膠原病クリニック 祖師谷
吉田智彦
健診で気になる項目は・・
〈身体測定〉
・身長・体重・BMI・腹囲・血圧・視力および聴力
〈血液検査〉
・血液中の脂質(コレステロール、中性脂肪など)
・血液中の糖(血糖値など)
・肝機能検査(AST、ALT、γ-GTPなど)
・腎機能検査(クレアチニン、尿酸など)
・貧血関連検査(赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットなど)
〈尿検査〉
・尿中の糖、蛋白質、潜血など
〈心電図検査〉
・不整脈や心筋梗塞のリスク
〈胸部X線検査〉
・肺や心臓の状態
肥満
•脂肪組織に過剰に脂肪が蓄積された状態
•BMI(体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m))
22が標準>25で肥満(>35で高度肥満)
•肥満に起因・関連し、減量を要する健康障害
耐糖能障害脂質異常症高血圧高尿酸血症冠動脈疾患
脳梗塞非アルコール性脂肪肝月経異常・不妊
閉塞性睡眠時無呼吸症候群運動器疾患(変形性関節症・脊椎症)
肥満関連腎臓病
悪性疾患(大腸がん、食道がん、子宮体がん、すい臓がん、腎臓がん、乳がん、肝臓がん)
良性疾患(胆石症、静脈血栓症、気管支喘息、皮膚疾患、精神疾患)
メタボリックシンドローム
•心血管疾患の発生を予防するための概念

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
3~6か月で現在の体重から3%の減量を目標
血圧
脳卒中、心筋梗塞、大血管疾患、慢性腎臓病など生活習慣病の罹患率、死亡率を高める
測定法
•カフを心臓の高さに保ち、安静座位で測定
•1~2分間の間隔をあけて複数回測定
•安定した値(差が5㎜Hg未満)を示した2回の平均値を血圧値とする
•高血圧の診断は少なくとも2回以上の異なる機会における血圧値で行う。
140/90mmHg以上(家庭血圧だと135/85mmHg)
判定区分と生活指導
•A(<129/84):異常なし
120/80(至適血圧)より高いと、将来高血圧に移行する可能性が高い。
生活習慣の見直し(減量、禁煙、減酒、減塩、野菜の摂取)
継続した健診受診の励行
•B (130-139/85-89) :軽度異常
至適血圧と比較して1.5~2倍、心血管疾患の発症率が高い。
生活習慣の見直し、特定保健指導の対象者にはその受診を励行
•C (140-159/90-99):要観察・生活改善Ⅰ度高血圧
至適血圧と比較して3倍心血管疾患の発症率が高い。
糖尿病、慢性腎臓病、心血管病を合併している場合、他のリスク(65歳以上、喫煙、脂質異常症、肥満、
メタボリックシンドローム、50歳未満発症の心血管疾患の家族歴)を3つ以上持っていれば
至急かかりつけ受診。
•D(>160/100):要医療Ⅱ度以上の高血圧
至適血圧に対して5倍心血管の発症率が高い。至急かかりつけ受診。
降圧目標値

健診事後指導
•発見されたリスク保有状態を受診者自身が正しく理解し、生活習慣を改善できるための働きかけを行うことが重要
•健診結果の理解することは、自分の体の中の変化を理解することにつながるが、
医療情報は一般の人が理解するのは難しい
•対象者の立場にたって、健康上の不安について相談し、健診で発見されたリスクを低減する
行動を引き出す指導が必要
行動変容のプロセス
①健診結果説明

何から始めようかな(行動目標設定)



食事・栄養指導
•腹八分目
•食品の種類はできるだけ多く
•塩分、脂肪は少なめ
塩味の薄い食事になれる・麺類の汁は残す
醤油やソースはかけずに、小皿に出してつけて食べる・加工食品や練り製品は少量に
外食では定食を・漬物は避ける・インスタント食品を避ける
•食物繊維をとる
•3食を規則正しく
•ゆっくり噛んで
•エネルギー摂取量の適正化
