東信会『絆』通信
ヒートショック
~入浴事故~
医療法人社団東信会
世田谷リウマチ膠原病クリニック新宿本院
新宿スカイビル健診テラス
東信よしだ内科・リウマチ科
世田谷リウマチ膠原病クリニック 祖師谷
吉田智彦
ヒートショックとは
•暖かい部屋から寒い場所へ移動した際に受ける体への影響
血圧が乱高下する→脆弱な血管の人は心筋梗塞や脳梗塞のもと
ヒートショックを学ぼう! | STOP STOP!ヒートショック (heatshock.)
症状
•意識の喪失(失神)
•嘔吐
•胸の痛み
•脱力、しびれ
•ろれつが回らない
好発時期
•家の中でも特に浴室とトイレ
•特に10℃ 以上の温度差がある場所は危険
リスクファクター
・65歳以上である
・高血圧、糖尿病、動脈硬化がある
・肥満、睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある
・浴室に暖房設備が無い
・一番風呂が好き
・熱い風呂が好き
・飲酒後にお風呂に入ることがある
・30分以上お湯に浸かっている
高齢者の入浴事故食後低血圧かも?
•食事をとった後、めまいや失神を起こす
•食事をした約20 分後から消化のために血流が腸に集まり、脳への血流が保てなくなって過度に血圧が低下し、めまいや失神を起こします。転倒のリスクもあります。
•高齢者、パーキンソン病、糖尿病の人は自律神経系が衰えているため、この病気が起こりやすいといわれています。
•一度食後低血圧を起こした人は、事故を避けるため入浴は食事の前にするようにしましょう。
日本の家は寒い!?
•「寒い時期の室温は18 度以上が必要だ」byWHO
•古い住宅では断熱性が不十分なことがあり、すきま風で居間や寝室の室温や湿度が下がる。
•湿度40%以上が必要
•高齢者がいる場合は、20度以上が望ましい
海外との比較
サウナも注意 ととのう~
•サウナから水風呂に入るとき、水風呂の強烈な寒冷刺激によって血圧は急上昇
•脳卒中や心筋梗塞だけでなく、極端に脈が遅くなる「徐脈」や、「致命的な不整脈」が発生することがあります。
•不整脈は体力に自信のある若い方でも、十分に起こりうる症状です。
サウナでの注意点
• サウナから出て水風呂に入る場合は、急に入るのではなく体に 水をかけて慣らしてから入る
• 過度に冷たい水風呂は避ける
• サウナに入る際は水分補給はこまめに行い、持病がある人は入 らない(医師に相談する)
• サウナの適正使用はサウナ5分、水風呂1分のセットを3クール 以内
風呂場で人が倒れている!
1.浴槽の栓を抜く。大声で助けを呼び、人を集める。
2.入浴者を浴槽から出せるようであれば救出する。出せないとき は、ふたに上半身を乗せるなどして沈まないようにする。
3.直ちに救急車を要請する。
4.浴槽から出せた場合は、両肩をたたきながら声を掛け、反応が あるか確認する。反応がない場合は呼吸を確認する。
5.呼吸がない場合には胸骨圧迫を開始し、救急車の到着まで続け る。人工呼吸ができるようであれば、胸骨圧迫30回、人工呼吸 2回を繰り返す。
予防策
ヒートショックのリスクが高い入浴時は特に注意しましょう
1,湯はり時に浴室を温める
2,脱衣所も温めておく
4,入浴前に家族に一声かける
お風呂から出るときはゆっくり!
・お湯に浸かっているときは、身体が温められ、血管が弛緩して 血圧が低下しています。その状態で急に立ち上がると、脳まで 血を運ぶことができず、めまいを起こしたり、失神することが あります。
・降圧剤内服中の人は特に注意が必要です。
・飲酒後は血圧が下がるため、飲酒後の入浴は避けましょう。