北海道 大雪山の黒岳に行く!

2004年9月25日

上田光代

 

2004年7月24日(土)~8月2日(月)の9泊9日で北海道へ。

息子は成長し(18歳)、旅行の日程途中で東京から合流。

子供たちも大きくなり、これが、家族で最後の旅行かな?と思うと気持ちも自然に高ぶります。


さて、今回もおいしいものをたくさん、いただきました。満足。満足。

アップダウンのシビアな美瑛(びえい)では、サイクリング。風に吹かれて、最高!

大雪山の黒岳(くろだけ)、標高1,984mにもチャレンジ。

 

黒岳から北鎮岳(ほくちんだけ)に行く道は、アルプスのハイジに出てくる丘のよう、どこからか羊を連れたペーターが出てきそう。
高原植物もかわいく、あちらこちらに咲いていました。

大雪山には雪も残っていました。

 

辟易(へきえき)したのは、“北海道だからキャンプ!”と信じて疑わない連れ合いの北海道旅行計画書。

今日も明日もキャンプ。それはよしとして、お風呂(温泉)のないキャンプは止めて欲しい!                               大雪山・北鎮岳のふもとで雪遊び

ブーイングの嵐。                      

なんだかんだで親子4人、狭いテントの中でワイワイ。

相変らず、空気のみ共有するという旅行でした。

詳細は以下のとおり。

 

 

2004年7月24日(土)敦賀25:30発のフェリーに乗船  1等貸切 大人:1名15,400円。

 娘も成長し、今年から中学生。フェリーは、いっぱしに大人料金となりました。

 実は、”夏祭りの花火を友達と見たい!“と、娘の強い要望で日程が1日延期。

 連れ合いは“会社の貴重な休みが1日、もったいない。金曜日の夜から出発したい”というジレンマに。

しかし、“北海道旅行より、友達と遊びたい”という娘の伝家の宝刀の言葉で忍耐。

“私は友達と遊びたかったのに・・・・ついてきてあげたのだ”と。

 “旅行について来てくれてありがとう”という年頃になってしまったのですね。

 この後、自分の意見を通すとき、ことあるごとに旅行中は彼女の“殺し文句”になりました。

 

7月25日(日)、1日中フェリーで過ごす     朝食バイキング:大人1人1,100円

海が穏やかなおかげで、すこぶる平穏な1日。

いそいそと大浴場へ。

大海原(おおうなばら)を見ながらお風呂に入れるなんて、とても贅沢。

さらに大海原を見ながら、お抹茶をサラサラと点(た)て、飲む。なんてステキでしょう。

娘は伝家の宝刀を連打し、“焼きおにぎり”やら“朝食バイキング”やら、ことごとくゲットしまくり。

ところで、フェリーの朝食バイキングは、乗船前の“フェリー乗り場”で前売り券を購入しておくと100円安くなると張り紙あり。帰路のフェリー時の参考にしよう。っと。

 

苫小牧に20:30着。下船前に大浴場へ。

今夜は、苫小牧のフェリー乗り場でキャンプ(テント)のはず。

が、トラックのブンブンの騒音や、周りの雰囲気から、テントは張れず。

車でうろうろし、よくわからない平地に連れ合いはテントを張った。

翌朝は、もの凄い霧で1m先も見えず。

自分がどんなところに野営をしたのか不明。

公園かな?どっかの売店所の敷地かな?

朝5時。朝食もとらずに、そそくさと車に乗り込み移動。

今回の旅行を暗示するようなスタートを切った気がする。

 

そうそう、この場所は、水洗トイレあり。水は十秒後に出る表示あり。不思議な表示でしょ。

娘と“・・・・水、でるかな?”と蛇口を覗(のぞ)いていたら、一気に水しぶきをあびる。

 

 

7月26日(月)  中学1年の娘の国語の教科書に記載の“襟裳岬”に行く

出発前に 北海道で行きたいところは?と連れ合いが聞いてくれたので

“網走に行ってみたい。土方歳三の五稜郭(ごりょうかく)に行ってみたい。”と、希望を出したが ことごとく却下。

連れ合いが言うには、何でも“場所が遠い!”と。

私は思う。何から遠いのだろう?愛知県からだと、どこも十分、遠い!

 

中学1年の娘の国語の教科書に“襟裳岬”が載っていた。”襟裳岬”と言ったら、あっさりOK.。

 

苫小牧のどこからか東へ4時間。襟裳岬に9時に到着。残念ながら “濃い霧”。

売店の店員さん言わく「春から夏は霧が多い」。と。

 

襟裳岬は、“ゼニガタアザラシ”でも有名。体の模様が“銭”に似ている。

ゼニガタアザラシを見てみたい。5時間ほど、待機。

その間に、襟裳岬の風の館で“風速25メートル”を実体験。息ができない!

襟裳岬といえば、中学の教科書を引用すれば “防風林”。風の強いところ。

 

昼食は、襟裳岬の売店で“つぶラーメン(小さな巻貝入りのラーメン)”を食べる。

午後2時ごろ、霧が晴れた。

襟裳岬は、こんな形だったのか。と絵葉書と同じ風景に納得。

残念ながら、ゼニガタアザラシとは対面できず。

 

夕方、黄金道路を通って大樹町(たいき)の町営キャンプ場へ。

海岸沿いの丘の上にあるキャンプ場。大人1人:600円。

連れ合いの独壇場のテントはり・夕食作りの邪魔をしないため、娘と2人で海岸へ。

海岸はきれいな白浜。水の大好きな娘だが、さすがに北海道の夕方の海風は冷たい。

 

水遊びはあきらめ、ふっと見るとおもしろいものを発見。

きれいな平たい石で、手のひらサイズから小さいサイズまで、よりどりみどり。

石に文字を書けば、ちょっとした部屋のインテリアにいいかも。

娘はさらに甲子園の土もどきに“砂”をお土産に。

(帰宅後、透明な瓶を購入し、瓶にガラス絵をほどこし、中に砂を入れて友達にプレゼント。)

 

夕食後は、町営の晩成温泉へ。大人1人:400円。

温泉の色は茶色で塩からかった。

泉質は、ナトリウムー塩化物泉、簡単にいうと“食塩泉”。塩からいわけだ。

温泉施設は、とってもきれい。

さすが北海道。7月下旬なのに屋外はもう寒い。

暖かい温泉の休憩場で、せっせっと絵葉書を書く。

 

7月27日(火)  中札内(なかさつない)~帯広~ラベンダーの富良町(ふらの)町へ

朝、テントをたたきつける、もの凄い雨の音で目が覚める。

おトイレは200メートル先の小屋。

大樹(たいき)町のキャンプ場はテントの横に車を横着けタイプ。

連れ合いは、私たちをトイレまで搬送の初体験。ブツブツ文句、言ってましたけど。

 

朝食はテントの中でラーメン。

作ってもらえるということはありがたいことです。

 

楽しかった石拾をした海岸を後にして、“ナウマン象の骨 発掘の地”を見て、中札内(なかさつない)へ。

 

中札内の“道の駅”はおすすめ。

とっても新鮮なミニトマト(すっごく甘かった)や卵をとてもお安く販売。

“花めぐりマップ”を頼りに、中札内 “道の駅”おすすめの “個人のお宅のオープンガーデン”に寄る。特に、“山田たみ子様宅(息子はピータン農園(いちご)を経営)”は一推し。

個人の家で、無料解放で、ここまでやっちゃうんだ!

100本のイルミネーションベゴニアは圧巻。

お花で東京タワーができてました。

 

その後、“幸福の駅”の観光をし、帯広へ。

帯広では、豊川からもってきたクロスバイクのタイヤの交換。

自転車は愛知県から車の後ろに括(くく)り付けられ北海道までやってきた。

自転車のタイヤは、車の排気ガスのパイプで焼け焦げちゃったのですね。

 

富良野(ふらの)では、ラベンダー “ファーム富田”へ。楽しいお土産time。

美しいお花畑(ラベンダーは満開。一面、紫色。そして赤、黄色など他の花もあり)。

ラベンダーの紫色の絨毯(じゅうたん)というのでしょうか?

紫色の海原(うなばら)というのでしょうか?

お花畑のスケールが違う。と思いながら、お土産にはまる。

 

なお、ファーム富田横のメロン即売所はお勧め。

”今晩、食べたい!“といったら、1ヶ1,000円のメロン(富良野メロン)を出してきてくれました。ここでは、食べごろのものは“安い”のだそうです。

私の横では、地方発送のメロンが4,000円だ。5,000円だ。と飛ぶように売れてました。

とてもおいしい!メロンでした。2つ買っておけばよかった。夕食後、悔やむことしきりの私。

 

今夜のキャンプ場はとてもきれい。1週間、連泊するという先客の家族連れも。

大人1一人:250円。

しかし、夕方、キャンプ場の近くに温泉はない!と平然と言い切る山男に猛然と抗議の嵐。

 

7月28日(水)  美瑛(びえい)でサイクリング

お天気は小雨のち曇り。今日はサイクリングデー。

娘は3段切り替えのクロスバイクを借り、私は“電動自転車”を借りてもらう。

電動自転車は、ラッタタァーと、急な坂道も笑顔ですいすい。

自前のクロスバイクの連れ合いを横目で追い越し、

坂道にヨレヨレの娘を申し訳なく思いながら追い越し・追い越されと、

余裕で手を振りながら、ほとんど体力の消耗をせずに快適にサイクリングをさせていただきました。

下り坂の風が気持ちいいこと!

美瑛(びえい)は、とてもアップダウンのシビアな町。

緑の丘がどこまでも続くステキなところ。

観光地ですね。しかし、さすがは北海道。美瑛駅の駐車場は無料。

 

“ケンとメリーの木→セブンスター木→親子の木→マイルドセブンの丘”

なんの変哲もない、だだ広い丘にポツンポツンとそれらの“木”がある。

景色はGOOD。絵に描いたような風景が広がります。

娘は行った先々で“じゃがバタ”をゲット。1日で何個、食べたことでしょう。

 

今晩はペンション“やま山”に泊まる。1泊2食付で一人:5,800円。

夕食のデザートはペンションと専属契約の農家の富良野メロンをいただく。

甘くておいしい!

 

7月29日(木)  旭川空港で息子と合流

今日は、約3ヶ月ぶりに息子と会う。とても楽しみです。

1時間も飛行機の到着遅れで再会は、ひとしお。

 

昼食は、松尾“ジンギスカン”。

店内には有名人の松尾ジンギスカン店への来訪時の写真あり。

でも、お店はとても庶民的な雰囲気。

さらに、お店の方は、とても気さく。また、行きたい。

ジンギスカンもとてもおいしいかった。

 

川村カ子(ね)ト アイヌ記念館へ。“ムックリ”を購入。2人とも音感はいいのね。

 

夕方、グリーンセンターのような閉店間際のお店やさんで“メロンを2ヶ(夕張メロン)”購入。店長と交渉の結果、1,500円でゲット。店員さんが、うらやむという場面も。

 

車のガソリンの補給を忘れていたことに気づいた連れ合いは、突然、無口な運転に。

ガソリンスタンドのありそうなところは、あと何キロ先?と思考回路をフル回転させていたのでしょうね。

北海道は広い。どこまでも行っても羊さんやら牛さんの牧場が続く。

町が遠い。

 

メロンをゲットした残り3人はランラン気分。夕食が楽しみ。

配給は一人、半分。スプーンでくり抜いて食べようかな。しあわせ。

 

層雲峡に到着。

よかった。よかった。さすがに観光地。ガソリンスダンド発見。

 

再び、キャンプ。

が予定のキャンプ場ではないところに到着。10分前に携帯で管理人さんと話してたのに・・・。

すでにあたりは暗い。管理人室が閉鎖されているキャンプ場にテントをはる。

 

再び、“今日はお風呂なし”と、のたまうヤカラが一名。

今回は、息子も加わり、ケンケンガクガク。

3対1。

ブーブーいう一名を尻目に層雲峡の温泉街に車で戻り、ホテルの温泉につかる。

ここは露天風呂もあり、極楽。極楽。

 

明日は、メインの大雪山・黒岳(くろだけ)、標高1,984mに家族4人で登るのです。

メロンを食べて頑張ろう!

 

7月30日(金)  標高1,984mの大雪山・黒岳(くろだけ)に登る

午前6時、大雪山・黒岳のロープウェイに着。

私の体調を考慮し、黒岳五合目までロープウェイ。さらに黒岳七合目までリフトを使う。

ロープウェイ往復:大人1,750円。 リフト往復:大人600円

ここから頂上まで所要コース:1時間半。

ロープウェイを降りたところで、 “鹿、二匹”に遭遇。こんな近距離で。どちらが見学側か錯覚に陥る。

 

息子と娘は、ゴツゴツ石の足元も気にせず、足元軽やかに、はるか先へ。

私は、腕時計以外はすべて、連れ合いに持ってもらい、

初めて見る紫色の“トリカブト”の群生に顔を近づけてみたり、こまめに休憩をとってもらったりしながら、突風の吹き荒れる頂上に到着。所要2時間半。

 

頂上からみる景色はまさに大パノラマ。

大雪山は北海道の中央部に位置し、総面積約23万ヘクタール(神奈川県とほぼ同じ面積)の広さの国立公園。旭岳、黒岳、北鎮岳(ほくちんだけ)、北海岳、白雲岳などの標高2,000m前後の山々が50㎞以上に渡って続き大雪山を形成し、山々がお鉢平と呼ばれる火口をグルリと取り囲んでいる。

 

黒岳から北鎮岳(ほくちんだけ)標高2244mへの移動は、まるで丘を散策するよう。

高原植物もかわいく咲いています。まるで楊貴妃のような薄赤色の花“コマクサ”。

黄色の花びら、でも桜の花を思わせる“チングルマ”の群生。

どれも背丈は3cm~5cm程度でしょうか。

木々もみな、背丈が低く、私が見下ろす高さです。

 

そんな風景も お鉢平と呼ばれる有毒温泉横を通過するときは さすがにドキリ。

噴煙をあげ硫黄を噴出。その火口から出てくる強烈な硫黄の臭いには くじけました。

北鎮岳(ほくちんだけ)に向かう途中の尾根は、ほんの数メートル間隔で草木も生えていない箇所が交互に。

風向きのせいでしょう。同じ尾根なの植物のあるところと、岩肌のところが、ところどころクッキリ分かれています。明暗を分けたという感じ。

 

北鎮岳(ほくちんだけ)山頂の手前に残雪がありました。

子供らと私はここで遊ぶことに。連れ合いは一人で北鎮岳(ほくちんだけ)山頂へ。

 

午後2時、下山開始。

娘は体に羽が生えたように、軽やかに岩でゴロゴロの黒岳の山道を駆け下りていきました。

娘のアテンドは息子に任せ、こちらは再び、ゆっくりゆっくりと山道を下ります。

 

リフト乗り場で合流したのは1時間半後。

その間、娘はリフト乗り場の売店の長椅子で大爆睡。

30分ぐらいで黒岳頂上からここ7合目まで一気に駆け下りたとのこと。

そりゃ疲れたでしょう。

娘はリフト、ロープウェイではちょっと元気なし。体力を使い切ったか。

 

下山後は層雲峡でお土産time。娘、復活。

今日も、昨日と同じところでキャンプ。

 

7月31日(土)  留萌(るもい)で“うに丼”を食べる

 

明日、8/1(日)から息子は連れ合いのたっての願いを聞き入れ、一人で北海道に居残り。

テント持参の自転車旅行をする。

連れ合いは、そのために愛知県から自転車を運んできたのです。

朝、テントの張り方、自転車修理方法など講習会開催。所要2時間。

 

その後、大函(おおばこ)~銀河の滝~流星の滝を観光し、留萌(るもい)で“うに丼”を食べ、夜は札幌へ。

 

ところで大函(おおばこ)は、柱状節理の渓谷の終点。

そこの売店“店名:大雪そば”で、お手製のじゃがバタ、芋餅ち、プリンを食べる。

さらに女主人は、娘に興味を持ち、“冬になったらスキーにおいで!冬は、お店は休み。

旭川空港に向かえに行ってあげる”と。社交辞令かな?名刺をもらっちゃけど。

 

夕食は、連れ合いが言うには、若いころは“土方歳三に似ていた”という大学の先輩、

平原様にご馳走になる。

札幌泊。今夜の宿は最初で最後のホテル。1泊朝食バイキング付で一人:4,550円。

 

8月1日(日)  息子は自転車一人旅へ出発、残り3人は再びフェリーへ

朝、息子は元気に一人旅に“行ってきます”。

私と娘は、笑顔で“狸小路(お買物)”に “行ってきます”。

 

お昼ごろ、北海道大学のポプラ並木を観光。かなりの老木並木。

ここは、“動物のお医者さん(2年前、TV放映されたドラマの舞台)”に出てくる。

実は、おもしろくて、原作の漫画をヤフーオークションで買っちゃいました。

悲しいことに、先日(9月の初め)の台風、18号が直撃し、ポプラ並木は崩壊。

残念です。

 

夕方、フェリー乗り場の小樽へ。

小樽の“潮(うしお)祭り”に偶然、居合わせる。

夜20:30分小樽発のフェリーに乗船。おだやかな海。1日、たっぷりフェリーの旅を満悦。

翌日8/2(月)深夜12:30に愛知県豊川に帰宅。

 

 

最後に、

成長した息子や、友達と遊んでいるほうが楽しい!と言い切っていた娘が一緒に北海道に行ってくれて本当にありがとう。子供たちに感謝します。

なお、連日のキャンプは体に応えたようで3kg軽くなって帰宅。

いつも笑顔の連れ合いに感謝します。                                                 以上