最近、大学の部活のLINEグループで、メンバーのひとりがこんな書き込みをしました。
「ねえねえ、中学生の子どものスマホ、どういうルールにしてた? 時間制限とかの機能を使っていた人いる?ウチの長男がスマホばっかりやってて。世間ではどうしてるのか知りたくて」
それに対して、私の友人たちがこんな返信をしていました。
「うちは時間は制限してないけど自分の部屋への持ち込み禁止。リビングで長時間やってるけど親がグチグチ文句言い続けると諦めるよ」
「時間制限なしで本人の自主性に任せておりヘヴィーユーザーではありますが、今のところ部活の朝練等もあるので睡眠時間を著しく圧迫するまでには至っていない状況です」
「1日1時間+夜10時以降は使えない。とは言え家のテレビでyoutube見てたりはするが」
しかし彼はその後、
「すみません、改めて確認したところ、1日2時間+ゲームは9時までだそうです。お詫びの上訂正いたします」と訂正しました。
そもそも父親がちゃんとルールを理解していないことがわかりました。
このように、スマホをどうするかは、現代の親に共有の大きな課題だと思います。我々世代がその問題を抱える親としての第一世代です。
便利なものは得てして危険です。スマホもその最たるもの。刃物の扱いを学ぶのと同じように、ある程度の失敗をしながら学ぶしかないのではないかという気がします。
親の言うことを聞かないような年齢になってからいきなりスマホを渡すのでは、寄り添って使い方を教えることもできませんし、失敗をしたとしても気づくのが遅くなったりもします。
子どもが親の言うことを素直に聞いてくれるうちに、少しずつ触れさせて、便利な部分も危険な部分も、寄り添いながら教えていくのがいいのではないかという気がします。
先日、保護者向けの講演会で、「スマホばっかりいじって、勉強しません。取り上げたほうがいいでしょうか」という相談も受けました。
でも、スマホを取り上げればますます勉強しなくなることは容易に想像がつきます。たいていの場合、スマホがあるから勉強しないのではなくて、勉強に手が着かないからスマホをいじってしまうわけですよね。
いまや多くのひとにとって、スマホが生活必需品であることは否定できないと思います。スマホを「悪」と決め付けてしまうのではなくて、「おかし」くらいにとらえるといいのではないでしょうか。
チョコレートやスナック菓子を食べ過ぎれば体によくはありません。だからといって全面禁止というご家庭も珍しいと思います。
生活の彩りとして、ほどよく「おかし」を食べることを、ある意味でのしつけの一種として取り組んでいるご家庭は多いと思います。その方法は、ご家庭によってそれぞれだと思います。
それと同じような感覚で、魅力的だけれど危険なものを使いこなす教材として、スマホの取り扱いについても、親子でああでもない、こうでもないと試行錯誤するのがいいのではないかと思います。どうすればいいという答えはないんだと思います。
ちなみに、さきほどの大学の部活のLINEグループで、私は次のように返信しました。
「一時期スマホをいじりすぎたくらいで人生狂ったりしないから大丈夫。せいぜい成績が落ちるくらいだから。それも単なる自業自得だし。親が心配することじゃあない。人間がねじ曲がらなければ大丈夫。おまえが父親なら、大丈夫!」
※2024年6月27日のFMラジオJFN系列「OH! HAPPY MORNING」でお話しした内容です。