自己肯定感が大事だから子どもをたくさんほめてあげましょうと、子育ての本などには書かれていることが多いと思いますが、忙しい毎日の中では、つい小言が多くなる。それで自己嫌悪に陥ってしまうこともある。

つい小言を言ってしまうのは親の性。しょうがない。でもそのぶん、子どもの気持ちを和ませる、おおらかな言葉がけを増やしてみたらいいんじゃないかと思います。

 

「今日も会えてうれしいよ」

朝、子どもが目覚めたとき。

ギューッとハグもすれば、なお効果的。

子どもは、「自分は、目覚めるだけで誰かに喜んでもらえる、大切な存在なんだ」「自分のことをそんなにも大事に思ってくれているんだ」と感じる。

自己肯定感を伸ばす。

自己肯定感が大切だとよく言われるが、自己肯定感を保つために必要なのは、成功体験じゃなくて、どんなときもあるがままの自分を認めてくれる存在。

 

「何があってもキミの味方だよ」

子どもが大失敗をしてしまったときや、叱られすぎてしょげているときにおすすめ。

悪いことは悪いと諭すことは必要。しかし「どんなに悪いことをしてしまったとしても、最後の最後までキミのことを信じ、キミの力になる」ということを宣言する。

子どもの存在自体を無条件に肯定する言葉。

どんなときでも親が安全基地であり続けることで、挑戦ができる子になる。

人生において、みんなから好かれようなんて無理。

人生に安定感を与えてくれるのは、このひとさえわかってくれればそれでいいと思えるひとがいるかどうか。

その感覚を知ってもらう。

 

「いいイタズラだねぇ」

イタズラって、つい思いついちゃったこと。

自発性そのもの。

イタズラは、好奇心や発想力、実行力のなせる技。

「これをこうしたらどうなるのだろう」という、いわば実験。

イタズラの結果についてはさておき、好奇心や発想力、実行力はほめてあげる。

カンカンに怒っているママを前にして大きな声では言えないでしょうけれど、センスを感じるイタズラは「いいイタズラだねぇ」とこっそりほめてあげてもいい。

好奇心を伸ばす。

自分の頭で考える子に育つ。

常識にとらわれない子に育つ。

 

「いいもの見たねぇ」

町中で、電車の中で、わけもなく大声で笑っているとか、へんな踊りを踊っているとか、日常の中で非日常に出会ってびっくりしちゃいそうなとき。

一瞬面食らうんだけど、そういうときにこのひと言。

自分との違いや理解できない言動を忌み嫌い、遠ざけるのではなくて、かといって、理解しようとするでもなく、そのまんま受け入れる大らかさを見せる。

 

「ごはんがおいしいね」

毎日、3食食べられるだけでどれだけ幸せなことか、子どもにはわからない。大人だって普段、忘れてしまうくらい。

パパが率先して、毎日、「今日のごはんもおいしいね!」といいながら、食卓を囲む。

ほとんどの「あたりまえのこと」はあたりまえではない。

「あたりまえ」を「有り難い」と認識する力=感謝力。

「感謝力」=身の回りにあるしあわせに気付く力=「しあわせ力」

しあわせな人に育つ。

しあわせは、得たりつかんだりするものではなく、感じるもの。

そんな感性を育てたいですよね。

 

「パパも子どものころはダメだったんだ」

叱られたり、失敗したりしても、自分をダメだと思わなくなる。

失敗を悪いことだと思わなくなる。

 

「ママにはナイショだよ」

子どもは秘密が大好き。

公園の片隅にお花が咲いているということでもいい。

ナイショにする内容はどんなことでもいい。

「ナイショだよ」は、何気ない日常を、非日常に変えてしまう魔法の言葉。

 

こういう言葉をいつも頭の片隅に置いておいて、使うチャンスを狙っていると、子どもを見る視点がかわって、実は親自身もおおらかになれる。

つい小言ばかりになっているときには、小言をやめようと思うのではなくて、こういう「大らかワード」を使ってみようと意識するのがおすすめ。

 

 

※2023年11月16日のFMラジオJFN系列「OH! HAPPY MORNING」でお話しした内容です。