子どものペットとして人気のアメリカザリガニとアカミミガメ(通称ミドリガメ)について、今年の6月から販売、輸入、野外への放出が原則禁じられることとなりました。

 

輸入はNG。販売・購入もNG。大量に配るのもNG。野外に放つこともNG。一般のひとが飼育したり、無償で譲ることは例外として認められるそうなので、いまおうちにザリガニやミドリガメがいるというひとは、最期まで大切に飼育してください。

違反すると3年以下の懲役、または300万円以下の罰金になる可能性があるとのこと。

だからといって、6月になるまえに川に逃がしちゃおうとか、ダメですよ!

 

私なんかの世代からしてみれば、ザリガニといえばアメリカザリガニであり、ザリガニ釣りというのは定番の子どもの遊びでした。

うちの子が小さいときも、テレビゲームをする時間を少しでも減らすために、どれだけザリガニ釣りに誘ったことか。

ザリガニ釣りに行こう!と誘うと、ゲームよりもそっちのほうが面白いって、着いてくるんですよね。

 

また、夏祭りの縁日では、金魚すくいと並んでカメすくいが人気でした。

金魚すくいの金魚は結構飼育が難しくて、すぐに死んじゃったりするんですが、ミドリガメはたいへん丈夫で、数年のうちにみるみる大きくなって、子どもがよく持っているプラスチックの飼育ケースではちょっと手に負えなくなってしまったりするんですよね。

よく食べてよく出すので、水もすぐに汚れて臭くなって、世話が大変です。

それで、近くの川や池に放流されちゃって、どんどん繁殖してしまい、日本の河川の生態系に甚大な影響を与えているということなんです。

うちの近くの洗足池でも、ときどきクサガメを見つけると珍しいくらいで、よく見かけるのはミドリガメばかりです。

クサガメも、元はといえば、外来種なんですけどね。

 

いま、私の仕事部屋のベランダにも、ミドリガメが2匹います。私が小学校2年生のときに、縁日でとってきたものと、弟がお友達からもらってきたものです。ですからもう40年以上飼育しています。

同じころに飼い始めたクサガメもベランダにいます。そいつも40年以上の付き合いです。

特別に大事に育てているわけではないのですが、カメはそれくらい長生きします。

犬猫よりもよほど長い付き合いになるので、飼うには相当な覚悟が必要なんです。

これ、客観的に考えて、一般家庭で飼育できる代物ではないですよね。

 

一方、ザリガニは、もともと食用ガエル(ウシガエル)の餌として輸入されたものです。食用ガエルも外来種なんですけど、カエルを食べるって文化は日本で定着しなくて、その餌のザリガニが全国で繁殖するという結果になりました。

すべて人間の身勝手ですね。

ちなみに、ノルウェーではザリガニを食べる食文化が定着していて、殻をむきながらエビを食べるのと同じ感覚で、ザリガニもおいしく食べます。以前取材でノルウェーを訪れたとき、私もおいしくいただきました。

そのまんまミニロブスターの味でしたね。

 

今回の決定は、「いまごろ?」という感じもしますし、幼いころの私たちは、そんな外来種とたくさん遊ばせてもらいましたし、これからだんだんと見かけることが少なくなるのかなと考えると、たくさん学ばせてもらったなという、哀愁に近い不思議な感覚を覚えます。

 

いま、昆虫食とかも注目されているじゃないですか。栄養価の高い外来の昆虫を食用に飼育するなんてことになったら、また同じようなことが起こるかもしれないとも危惧します。

人間の身勝手で連れてきて、邪魔者扱いするようなことをくり返さなければいいなと思います。

 

 

※2023年1月26日のFMラジオJFN系列「OH! HAPPY MORNING」でお話しした内容です。