駄菓子屋さんになるのがいまの私の目標です。
ふと、「駄菓子屋」でニュース記事を検索したら、最近のニュースだけでもこんなに出てきました。
いま、駄菓子屋さんが世の中に必要なものとして脚光を浴びているのでしょうか。
グッドデザイン賞 大賞に“駄菓子屋” 奈良 生駒市の企業など
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221101/k10013877541000.html
昭和の時代を感じさせる懐かしい駄菓子屋が期間限定でオープン 宮城・気仙沼市
https://www.khb-tv.co.jp/news/14756796
http://sanrikushimpo.co.jp/2022/10/28/8632/
ひきこもり対策に区営駄菓子屋 区長「寝転ぶだけでいい、まず来て」
https://digital.asahi.com/articles/ASQ993K0HQ98UTIL02K.html
日曜だけの駄菓子屋オープン 夢をかなえた会社員、仕入れは有休で
https://digital.asahi.com/articles/ASQBT6S02QBKPIHB005.html
駄菓子屋「テーマパーク」、田んぼの中に 300円で1時間楽しめる
https://digital.asahi.com/articles/ASQBP5GNDQB6PPZB010.html
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022102400096&g=eco
宗像・日の里に駄菓子バー「なつ菓子屋」 子どもから大人までが集える場に
https://munakata.keizai.biz/headline/227/
「駄菓子屋のおっちゃん」は歯医者さん 赤字でも、安心できる場所に
https://digital.asahi.com/articles/ASQBQ75YFQBKPXLB00R.html
https://mainichi.jp/articles/20221023/ddm/005/070/074000c
以下は、2022年7月に発行された拙著『不登校でも学べる』の「おわりに」です。
駄菓子屋さんについて書いています。
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おわりに
雑誌のインタビューで、子育てや教育に良い町をどうやって選んだらいいかという質問を受けたことがあります。
子育てしやすい町ランキングの類いでは、自治体による子育て支援政策や教育サービスの充実などの観点が挙げられることが多いはずですが、私は、次のような観点を挙げました。
「実際に候補の町を訪れることができるのなら、そこにある公園で遊ぶ子どもたちの様子を見てみてください。生き生きと大きな声を出して賑やかに遊んでいるか。それが許されているということは、子どもたちが子どもらしくあることが認められている地域であるということです」
「またその近くに駄菓子屋さんみたいな子どものたまり場があったら最高です。駄菓子屋さんは子どもたちの社交場であり、お小遣いを実際に使ってみるなど、直接社会とのかかわりを経験する入口です。そういう場所が守られている地域では、子どもたちが健やかに育つために何が必要なのかを住民たちがよく理解しており、それがその地域の文化になっていると推測できます」
若いころはいつか学校の先生になりたいと思っていました。規格外の学校をつくりたいと妄想していたこともあります。でもいまは、駄菓子屋のおじさんになることが私の目標です。
映画「万引き家族」で柄本明さんが演じた駄菓子屋のおじさんが、最高にカッコ良くてシビれたんですよね。あれって平成のあいだに失われた大切なものの一つなんだと思います。それになんとなく、学校の先生よりも、駄菓子屋のおじさんのほうが私のキャラに合っているような気がするし。
いまのこの仕事を細々と続けつつ、学校が終わるくらいの時間になったら店に出て、放課後の子どもたちの小さな社会を眺めていたい。そんなに遠くない未来の話として、このところよく、そんなことを考えていました。
でも、この本を書き終えて、ちょっぴり心境の変化がありました。
〈やっぱり、お昼前から店を開けようかな〉
さすがに「出席扱い」にはならないと思いますけど。
二〇二二年七月 おたとしまさ
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以上。