発売以来43年間、ずーっと10円という価格を貫いてきた「うまい棒」が、原料価格の高騰から、ついに12円に値上げせざるを得ないという衝撃のニュースが、1月24日に飛び込んできました。

https://digital.asahi.com/articles/ASQ1S5VDTQ1SULFA018.html

 

うまい棒といえば、200円の予算内で買っていく遠足のお菓子の定番でした。私はめんたい味一筋です。

 

そのうちスーパーなどでも買えるようになりましたが、やっぱり私の世代だと、駄菓子屋さんで買うものという印象が強くあります。

 

10円玉ワンコインで買えちゃうところが気持ちよかったじゃないですか。これからはあと1円玉を2つ追加しなきゃいけないということで、ちょっと面倒くさいし、駄菓子屋さんにとってもちょっと手間が増えますよね。やっぱりうまい棒はワンコインで買えるべきだと思うんです。

 

そこで、いいことを思いついちゃいました!

 

何だと思います?

 

12円硬貨を発行すればいいんですよ。500円玉とか新しくしなくていいから。

 

まあ、それは冗談としても、そもそも駄菓子屋さんって、いま減っているんでしょうかね。そう思ってちょっと検索してみたら、2019年にFNNプライムオンラインが「平成の間に懐かしの「駄菓子」が消えた...このままなくなってしまう?」という記事を掲載していました。

https://www.fnn.jp/articles/-/7549

 

それによると、駄菓子屋などが該当する「菓子小売業(製造小売を除く)」1991年の約7万事業所でしたが、2016年は約1万6000事業所と、4分の1以下に激減しているんですね。

 

都道府県別の「お菓子屋さん」の軒数を掲載しているサイトもありました。

https://todo-ran.com/t/kiji/21125

 

単純な軒数では、東京都が1位で3360軒、2位は大阪府で2086軒とのことですが、県民10万人当たりになおすと、1位は山形県で52.78軒、東京都は25.40軒で38位でした。

 

10万人当たりの軒数が一番少ない県はどこだと思います?

 

神奈川県の19.85軒でした。

 

もともと私はあんまり先のことは考えないで生きるたちなんですが、そんな私にも、最近将来の目標ができました。自分の子育てが一段落したら、駄菓子屋さんのおじさんになることです。

 

いまの仕事を続けながら、学校が終わるくらいの時間になったら執筆を切り上げて、お店に出て、放課後の子どもたちの小さな社会を眺めていたいなって思うんです。

 

駄菓子屋さんって、隣の学区の小学校の連中との遭遇・対立を乗り越えての交流の場だったし、予算の中で自分の意思で何かを買う初めての経験をする場所だったし、親や先生以外とのやりとりが発生する社会勉強の場でもあったし、子どもにとってはものすごく重要な社会への入口だったと思います。

 

映画「万引き家族」でも柄本明さんが、駄菓子屋のおじさん役として、ものすごくいい演技をされていますよね。あれって平成の間に失われた大切なものの1つなんだと思うんです。若いころはいつか学校の先生になろうとか思っていたんですが、いまは駄菓子屋のおじさんになることが僕の憧れです。学校の先生よりも、そのほうが、僕らしいなとも思って。

 

先日住まいに関する情報誌の取材を受けました。子育てしやすい町をどうやって選ぶかというお題でした。

 

保育園の数だとか子どもの医療費負担の話だったりとかという行政的な観点もあるんでしょうが、私は、公園で遊ぶ子どもたちがのびのびと大声を出しているか、そしてその近くに駄菓子屋さんがあるかという観点を挙げました。

 

子どもたちがいきいきと大きな声を出して賑やかに遊んでいて、子どもたちだけのたまり場としての駄菓子屋さんがある町は、子どもたちが健やかに育つために何が必要なのかを住民たちがよく理解しており、それがその町の文化になっているといえます。

 

※2022年1月27日のFMラジオJFN系列「OH! HAPPY MORNING」でお話しした内容です。