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高校関連でちょっと気になるニュースが2つあったので、今回はそれらについてちょっと考えてみたいと思います。

 

1つは、7月15日に読売新聞のオンライン版が報じている高校の「普通科」を3種類に再編するという話です。

 

現在高等学校には、「普通科」と「専門学科」と「総合学科」の3種類があります。「専門学科」というのは工業、農業、商業、理数、体育などの特定の分野に比重を置いた教育を行う学校です。「総合学科」というのは普通教育と専門教育を合わせた学校です。では、「普通科」とはどういういみか?

 

おわかりになりますか?

 

この場合の「普通」とは「凡庸」とか「平凡」とかいう意味とは違います。「普遍的」というようなニュアンスをもつ言葉です。特定の分野とか職業技能に偏ることなく、広く学問を修め、いわゆる教養を身につけましょうという意味です。「慶應普通部」という学校もありますが、まさにそういう意味です。

 

今回報道された内容によると、この「普通科」を2022年春以降、「普通科」「学際融合学科(仮称)」「地域探究学科(仮称)」の3種類に分けようということらしいのです。

 

読売の記事によると「学際融合学科(仮称)」は「持続可能な開発⽬標(SDGs)など現代的な課題解決を図る」学科だそうです。「地域探究学科」は「少⼦⾼齢化などの地域社会の課題解決策を探る」学科だそうです。

 

広い分野の教養を前提にして、社会課題を発見し解決できるひとを育てるのがもともとの「普通科」の狙いであるはずなのですが、それと別ルートで課題解決型の教育を行おうということのように読めます。

 

詳細がわからないのでまだなんとも言えないのですが、結構大きな制度変更のような気がするので、今後も注視していきたいと思います。

 

もう1つの話題は、「ツーブロック」です。

 

3月12日に実施された都議会予算特別委員会で池川友一都議会議員が「なぜ、校則でツーブロックが禁止されているのか?」と質問し、それに都の教育長が答弁する1分ちょっとの動画を、7月13日に池川議員自身がTwitterに投稿したところ、14日の時点で230万回以上再生されているようです。実際のやりとりから4カ月後の投稿でなぜかバズったということですね。

 

都議の質問は先ほどの通りですが、教育長の答弁は「外見等が原因で事件や事故に遭うケースなどがございますため、生徒を守る趣旨から定めているものでございます」でした。これに対して都議は「意味不明です。ツーブロックだと事件事故にあうというデータでもあるんですか?」と切り返しています。

 

これは日本共産党都議団が都立高校の校則についての情報公開請求をしたところ約10%の学校でツーブロック禁止が定められていたことを受けてのやりとりでした。都立高校だけでなく私立高校でもツーブロック禁止を聞いたことがあります。

 

蒲田さんもときどきツーブロックっぽくなってますよね。私が高校生くらいのころにも一度流行っていたような気がするんですが、ツーブロックが不良っぽいとかそういうイメージはまったくなかったと思うんですよね。去年フィリピンに行ったときには少年たちはみんなツーブロックにしてましたよ。汗も拭きやすいですしね。

 

自粛とかマナーとかそういうものが求められる世の中ではありますが、面倒くさいですけれど、何が適切なのかをその都度自分の頭で考えないとおかしなルールがどんどんつくられてしまいます。おかしなルールには「おかしい」とみんなで言わないといけないですよね。

 

※2020年7月16日にFMラジオJFN系列「OH! HAPPY MORNING」でお話しした内容です。

 

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