拙著『世界7代教育法に学ぶ才能あふれる子どもの育て方 最高の教科書』(大和書房)から、各教育法を実践する幼稚園や学校で出会った子どもたちの様子を描写した箇所を抜粋して紹介します。少しでも教育法の違いが具体的にイメージできれば幸いです。

 

●モンテッソーリ

「日本モンテッソーリ教育綜合研究所附属『子どもの家』」でみた子どもたちは、まるでジブリ映画にでてくる子どもたちが現実の世界に飛びだしてきたかのようでした。いきいきと自分の人生を謳歌していると同時に無限の世界への好奇心と畏怖の念を抱いている。そして何より、勇気がある。そんなふうに私は感じました。

 

●シュタイナー

普通の幼稚園のテンションとはあきらかに違います。ここでは、子どもたちがよくコミュニケーションをとり合って社会を形成しているというよりは、ありのままの姿でより直感的にふるまいながら調和しています。子どもたちはまるで精霊のようにふるまいます。「私たちは守られている」とまるで顔に書いてあるようです。

 

●レッジョ・エミリア

子どもたちが遊んでいたおもちゃをそのままにしてほかの遊びを始めても、いちいちお片づけはさせません。しばらくしてまたもとの遊びに戻ってくることも、子どもたちにはよくあるからです。まるで回遊魚のように、子どもたちは「ピアッツァ(広場)」と呼ばれる広い部屋のなかをいっぱいに使って遊んでいるのです。

 

●サドベリー

小さい子もはっきりと意見をいいます。意見をいうときは、「もともとは○○だったけど……」などと、これまでの経緯をふくめて説明します。「これについて私は○○と思っています。理由は……」と、その意見をもった理由もきちんと説明します。これまでの経緯と、問題意識と、対処案がセットで提示されるので、論点が明確です。

 

●フレネ

2人とも自分で「問い」を立て、その問いを問いとして抱えながらたくましく生きています。元気いっぱいのやんちゃ坊主ですが、私には「格好良い頭と何でもできる器用な手」をもっているようにみえました。「日本の子どもたちもなかなかやるな!」なんて、天国のフレネが微笑んでいるのではないでしょうか。

 

 

※ドルトンプランの園では、取材時間が短く、ドルトンプランらしい子どもの輝きを見ることができませんでした。書籍執筆時点でイエナプランを実践する学校はなかったので書籍には教育現場レポートは掲載されていません。ただし、雑誌「FQ JAPAN」には2019年4月に開校したばかりの日本初のイエナプラン校のレポートが掲載されています。