11/28 モスクワの図書館で、日本の父親というテーマで講演し、日本とロシアのジェンダー・ギャップについても比較した
世界経済フォーラムが2018年のジェンダー・ギャップ・指数を発表した。
<総合>
1 アイスランド 85.8%
2 ノルウェー 83.5%
3 スウェーデン 82.2%
4 フィンランド 82.1%
5 ニカラグア 80.4%
6 ルワンダ 80.4%
7 ニュージーランド 80.1%
8 フィリピン 79.9%
9 アイルランド 79.6%
10 ナミビア 78.9%
12 フランス 77.9%
14 ドイツ 77.6%
15 イギリス 77.4%
70 イタリア 70.6%
75 ロシア 70.1%
98 アメリカ 67.8%
103 中国 67.3%
108 インド 66.5%
110 日本 66.2%
115 韓国 65.7%
2018年、世界の参加国149カ国の平均は68.0%。
経済 59%
教育 95%
健康 96%
政治 22%
健康分野で4.4%、教育分野で4.6%と差が小さいにもかかわらず、政治分野においては77.1%、経済分野においては41.9%の差が開いている。
参加国149カ国中、首相が女性であるのは17カ国。
世界平均では、閣僚における女性の比率は18%、議会における女性の比率は24%。
このままのペースだとジェンダーギャップがなくなるのに108年かかる計算。
政治分野だけを見れば202年、経済分野だけを見れば107年必要。
日本は今年久しぶりにランクが上がった。実際にジェンダー・ギャップ指数も多少改善した。いままでのジェンダー・ギャップ指数の推移はこちら。
※World Economic Forumのサイトを元に作成
<経済>
1 ラオス 91.5%
2 バルバドス 87.1%
3 バハマ 86.3%
117 日本 59.5%
<教育>
1 25カ国
65 日本 99.4%
<健康>
1 40カ国
41 97.9%
<政治>
1 アイスランド 67.4%
2 ニカラグア 57.6%
3 ノルウェー 56.3%
125 日本 8.1%
先日ロシアに行く機会があった。モスクワでちょうどジェンダー・ギャップについて講演したばかりだった。
ロシアのジェンダー・ギャップ指数は以下の通り。今年参加国の増加でランキングでは順位を下げたが、指数は若干向上している。
2017 71位 69.6%
2018 75位 70.1%
日本よりはましだ。
社会主義国家ではもともと女性も労働力だったので、共働きは当たり前。女性でも能力のある人は出世できるという。ただし、それでも、育児は女性の仕事になりがち。父親を子育てに巻き込むことが課題なのだとか。
またロシアの経済の仕組みが変わってから、「働けば働くだけ稼げる」ということがわかり、家庭をないがしろにして仕事に夢中になる男性が増えているのだという。「働き方改革」を叫んでいる日本社会とは逆ベクトルである。
日本では高度経済成長期に男女の役割分担が明確になった。それが成功体験として染みついており、経済停滞期に入ったいまでも拭えない。むしろ経済成長の足かせになり、昔のツケを払わされている。ロシアは二の轍を踏んではいけないと訴えた。
世界的に見て、政治分野でのギャップが大きいことが最大の課題であることは明白。
総合順位で上位の北欧諸国は、クオータ制を導入することで一気に女性議員の数を増やした。さきがけは1978年にノルウェーで制定された男女平等法。
そうでもしないといつまでたっても社会は変わらないかもしれない。