公共の場所で子どもが騒いでしまって、周りの方々にご迷惑をかけてしまうこと、ありますよね。そんなときに知らない人から「うるさい!」などと、親子共々怒られちゃったりすると、顔から火が出るような思いを味わうことになります。

 

子どもが騒いでしまうのにもいろんなケースがあるでしょう。子どもの年齢によっても状況はさまざまです。親としてしっかりしなければならないときもあれば、親であってもどうにもコントロールできない場合もあります。

 

怒られてしまったのなら、いずれにしても、ひとまず「すみません」と謝り、小さくなるのがいいでしょう。言い返したくなる気持ちもあるかもしれませんが、ここで子育ての大変さを訴えたところで意味がありません。実際に迷惑をかけてしまっていたなら、親として反省すべきは反省し、子どもに伝えるべきは伝えれば、おしまいです。さっさと気持ちを切り替えましょう。

 

なかには必要以上に大きな声で注意する意地悪な人もいるかもしれません。「そんな言い方しなくても・・・」と悲しくなったり、怒りを感じたりもするでしょう。でも、そういう理不尽な状況は、周りの大人もみんな分かってくれますから大丈夫。必要以上に気にしないようにしましょう。

 

逆にもし、必要以上に派手に怒られちゃった親子を見つけたら、同じ親として「気にしなくて大丈夫!」って感じで、そっとほほえみかけてあげるといいでしょう。それだけで救われますよね。

 

赤ちゃん連れの外食も気を遣うものですよね。レストランで子どもが泣き出してしまって、パパとママで交互に抱っこして外に出て、結局、夫婦で一緒には食べられなかったなんてこともよくありますよね。

 

かといって、肩身の狭い思いで店に入り、ほかの客の視線を恐れているような状態が一番良くありません。親が心の中で「また子どもが泣き出すんじゃないかしら」って不安な気持ちでいると、その不安が子どもに伝わり、子どもも不安になり、泣き出すことが多くなります。

 

こういう状況では、周りの視線を恐れる代わりに、先客のみなさんの目をしっかりと見て、「子連れでご迷惑をおかけするかもしれません。すみません!」と、先に謝ってしまうのが得策です。

 

子育て経験のある人なら、そういう親の気持ちを理解してくれます。「大変よね。気にしないでゆっくり食事してね」なんて言ってくれるかもしれません。子育て経験のない人でも、面と向かって先に謝れてしまったら「いいですよ。気にしないで」と言ってしまうでしょう。

 

心構えがあるのとないのとでは、心持ちが大分違います。事前に「ご迷惑をおかけするかもしれません」と断ってしまうのは、まわりのお客さんの嫌な部分を引き出さないための思いやりともいえるでしょう。

 

子どもが泣くこと自体、自然なことですから、そもそも謝る必要なんてないんですけど、そこで正論を振りかざしてもなかなか思い通りには理解されず、余計なストレスを抱え込むことになるだけです。そこは「損して得取れ」の精神で、したたかにいきましょう。

 

まだうちの長男が小さいころ、国際線の飛行機に乗ったとき、ずっとぐずってしまって困ったことがありました。隣に座っていた外国人の男性に、着陸してから「Thank you for your patience.(忍耐に感謝します)」と伝えたら「Don't worry. I'm a father, too.(気にしないで。僕も父親だから)」と笑顔で言ってもらえてとてもうれしかったことをいまでも覚えています。

 

 

※全国のFMラジオネットワークJFNの「OH! HAPPY MORNING」2017年10月12日に放送した内容を掲載しています。