夏休みに子連れで海や山へ行くという家族も多いはず。ところで、世界中で最も人の命を奪っている動物が何だか知っていますか?

 

(1)サメ

(2)ヘビ

(3)蚊

 

答えは(3)の蚊だと言われています。病原菌の媒介をします。世界的にはマラリアが特に恐れられていますよね。3年ほど前には日本でも「デング熱」騒動というのがありました。熱帯地域で流行することの多い、蚊を媒介とする「デング熱」という病気が、東京でも確認されたのです。

 

怖いのは感染症だけではありません。子供にとって、蚊は、結構な脅威です。蚊に刺されると、大人の皮膚はすぐに腫れてかゆくなります。これを即時反応といいます。でも子供の場合、すぐには反応せず、数時間後に赤く大きく腫れます。これを遅延反応といいます。特に8歳くらいまでは、大きく腫れたり、水ぶくれができたり、局所的に熱をもったりすることがあります。この症状を小児ストロフルスといいます。

 

子供には、蚊の唾液に対する免疫の発達が不十分だから起こる症状です。成長にともない、症状が出なくなっていきますので、心配は不要ですが、子供としては、つらいのです。このことを大人は忘れがちで、「つばつけとけばなおる」みたいに言ってしまいがちなのですが、子供はつらくて、ついかきむしってしまい、そこからばい菌が入って皮膚炎を起こしたりすることもあります。蚊に刺されたことより、そのほうがやっかいです。

 

さされてしまったら、かゆみどめを塗りましょう。しばらくはかゆみが抑えられますが、一時的にかゆみを感じにくくする対症療法なので、またすぐにかゆくなります。そうしたらまた塗る。それを繰り返すして、かきむしらないようにしましょう。

 

そもそも刺されないようにするために、みなさん、さまざまな対策をすると思います。

 

でも実は虫、除け対策には勘違いも多いんです。数年前まで、超音波で蚊を寄せ付けないという商品が堂々と売られていたのですが、効果がないことがはっきりして、販売中止になるということがありました。血を吸う蚊のメスはそもそも音が聞こえないんです。効果があるわけがない。

 

それから、殺虫成分をまき散らすファンが回転するタイプの器具を腰からぶら下げたり、シールを貼ったりということをやる人もいますが、あれらが効果を発揮するのは、そのアイテムから出た成分が、一定以上の濃度で子供の周りに漂っていてくれる場合のみです。風が吹いてしまったり、子供が走り回ってしまったりしたら、成分が拡散して効果は発揮できないということを覚えておいてください。

 

アウトドアで、蚊の攻撃からこどもを守るためには、肌を露出しないことがいちばんなのですが、そうもいかないときの第2の手段としては虫除けの薬を肌に直接塗るべきです。虫除けの成分のディートが人体に有害であるとして、気にする人もいるのですが、よほど大量に吸い込まなければ大丈夫だといわれています。刺されて、小児ストロフルスを発症し、かきむしり、そこからばい菌が入ってしまうリスクのほうが大きいはずです。

 

気にするのであれば、スプレータイプではなく、直接肌に塗るタイプを選べば、吸引するのを最小限にすることだできるでしょう。ちなみに天然成分の虫除けというのもありますが、効果はディートを使用していくものに比べれば落ちます。しかも、天然成分だからといって必ずしも肌に優しいとは限りません。

 

ちなみに人間を殺す動物の3位がヘビだそうです。2位は何だかわかりますか?答えは人間です。まもなく原爆の日や終戦記念日を迎えます。このランキングについては人間がランク外になることを願いたいですね。

 

※全国のFMラジオネットワークJFNの「OH! HAPPY MORNING」8月3日に放送した内容を掲載しています。