女性誌LEEが主催するセミナーで、モデルのAYUMIさんと対談させていただいた。テーマは「子どものやる気の伸ばし方」。うーん、難しい。それがわかればどこの親も、先生も、苦労しない。

 

「勉強しなさい!」という言葉ほど虚しいセリフはないということは、会場のママたちも重々承知。しかし、「いつまで待てば、うちの子のやる気は出るのか」と不安な気持ちに負けて、つい言ってしまう。

 

私はまず、会場のママたちに聞いた。「やる気って何ですかね?」。たとえばママモデルAYUMIの息子さんは、空手とサッカーに夢中だという。「すでにやる気満々じゃないですか!」というオチ。

 

そう。ママたちが「やる気」というとき、それは勉強に対するやる気でなければいけないのだ。しかし、無性に肉を食べたいと思うときもあれば、魚を食べたいと思うときがあるのと同じように、人のやる気は移ろいやすい。

 

「いつも勉強に対してのみやる気を発揮するなんて、無理だって、みんなわかってますよね」と尋ねると、会場のママたちも、苦笑いしながらほっとしたような表情をする。

 

「やる気を引き出す」という意味で、正攻法は次の3ステップ。

 

1 自分は理解されているという安心感を与えてあげること。心に安心感があればこそ、挑戦してみよう、自分を変えてみようとする勇気が湧いてくるものだ。子どもだけでなく、大人にも言える。

 

2 やる気になった瞬間を見逃さないこと。すかさず褒めること。このためには普段からのコミュニケーションが欠かせない。

 

3 やる気になった成果が芳しくなかったとしても、些細なことでもいいから良いところを見つけ、評価し、成功体験として演出してあげること。

 

しかし、これとてうまくいくとは限らない。やる気が出ないうちは指をくわえて見守るしかないのか。

 

実は勉強に関していうのなら、特に受験を意識しているのなら、大切なのは、やる気にさせることではなく、やる気にならないときにいかに、だましだましでもいいから基礎学力を付けさせておくかということ。そのため通信教育を使ったり、塾に通ったりするわけ。

 

そう話すと、会場のママたちは、また一様に安心した表情を見せてくれた。