防災対策、救命対策についての続きの質問です。
 
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豊島区では現在、町会単位での防災訓練などが行われております。しかしながら  町会役員の方々は高齢の方も多く、実際に現場の声を聴くと「果たして大災害の際には自分の身の方が心配だ」という声も聞かれます。若い方々が町会の活動に参加されている町会ではこのような心配も少ないと思いますが、若い方々が子育てや仕事などでなかなか町会活動への参加が難しいという町会も少なからず存在するのが 現実であると思います。若い方々の防災訓練や地域防災への参加について豊島区としては如何お考えでしょうか。お聞かせください。

 

防災訓練の際にも、参加された方のうち、どれだけの方々が助ける側に回れるのかと言う事を考えると地域において、日常的に、そして積極的に活動できる防災リーダーの存在が不可欠であると思います。現在、町会には消防団に所属している方がいらっしゃる所も多く、その方が防災リーダーとして活動されているところではあります。私は更に防災士を活用することによって、災害時に大きな役割を果たせるのではないかと思います。先ほども述べましたが防災士の役割として公的機関が機能するまでの3日間に現場での活動を行う事が挙げられております。こうした中で、区民の方々に防災士の取得を促すことにより、地域での防災リーダー、特に若い方々に防災リーダーとして地域防災を支えていただくことが出来るのではないかと考えます。防災士になる為には2日間の講習の受講などが必要であり、6万円を上回る受講料、受験料が必要となります。23区での取り組みを見てみると、中野区や港区では独自に防災士養成講座を開催しており、費用はかかりません。また、足立区、新宿区、文京区、目黒区などにおいても費用の助成などが行われております。豊島区においても、防災士の取得に関して費用助成を行い、更なる防災士の育成を行う事により、地域防災組織の強化が図れるものと思いますが、豊島区としてのお考えをお聞かせ下さい。

 

防災士の増加により、地域防災組織の強化が図られ、万が一の災害の際に、リーダーとしての活躍を期待できることにより、安全安心な街につながると思われます。 また、この防災士の取得には、消防署などにて行われている普通救命講習等の受講が必須となっております。平成28年の第2回定例会の一般質問において私より、救命講習修了者の登録を呼びかけさせていただきましたが、その際には、救命講習修了者の増加の検討と合わせて東京消防庁との協議をしていく旨の答弁がございました。救命講習修了者の登録は、昨年度行われましたコエイド119のアプリにより課題の解決が図られることが確認できました。しかしながら、救命講習修了者の増加が重要であることは今も変わりません。現在、普通救命講習の受講者数向上に向けて豊島区はどのような取り組みを行っておりますでしょうか、お聞かせください。

 

また、コエイド119アプリの実装実験が本年1月まで豊島区において行われました。このコエイド119アプリは多くの方々から高い評価をいただき、多くのメディアでも  取り上げられました。今回の実装実験では、幸いにも、このアプリを利用した救命活動は行われませんでしたが、このコエイド119アプリの実装実験の結果について豊島区としてどのような見解をお持ちなのかお聞かせください。

 

日本人の死因第2位である心疾患に対して、今後も積極的な取り組みを行う事で「区民の命を守る豊島区」となると思いますので今後も継続して取り組みを進めていくことが重要であると思います。

 

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区側の答弁です。

 

若い方々の防災訓練や地域防災への参加についてのご質問にお答えいたします。地域の防災訓練や合同防災訓練等では、ご指摘のとおり若い方々の参加が少なく、高齢化が進んでいるという問題があります。このため区では、保育園の引き取り訓練、町会の親子向けの自主勉強会での防災講話、イベントに来場した方々へのミニ防災講座の開設など、様々な機会を利用して若い方々に対し、「自助」の重要性について啓発すると共に、「共助」の担い手となっていただけるよう、お願いしております。今年度は、10月の総合防災訓練に消防庁のバーチャルリアリティ防災体験車を招へいし映像による仮想震災体験に引き続き、救難訓練、給食訓練を実施し、ストーリー性のある訓練となるよう、様々な工夫をこらし、町会に限らず児童やその保護者、広く区民の皆様に参加を呼びかけてまいります。

 

次に、防災士資格取得の費用助成を行い、更なる防災士の育成により、地域防災組織の強化を図ることについてのご質問にお答えいたします。大災害の発生当初に、警察、消防、自衛隊等の救助活動が困難を極めると想定されるなか、防災士の育成が、地域の防災力を向上させる有効な施策であることは認識しております。区といたしましては、防災士の取得に係る助成制度や、独自の養成講座を開催している他区の取り組み等も研究させていただき、地域の防災リーダーの育成のあり方を検討してまいります。

 

次に、普通救命講習の受講者数向上のための取り組みについてのご質問にお答えいたします。区では毎年、職員向けの普通救命講習として年間8 日間で600名が受講可能な講習を実施し、3年間で概ね全職員が'受講できる体制を整えております。また、区立中学校8校の3年生を対象に、平成16年度から毎年約900名に対して普通救命講習を実施しております。救命率を向上させるためには、AEDの普及とともに、救命講習受講者を増やしていくことが重要であると考えており、今後も引き続き職員等に対する普通救命講習の充実に努めてまいります。

 

次に、コエイド119アプリの実装実験の結果に対する区の見解についてのご質問にお答えいたします。コエイド119アプリは、SOS発信登録者が、心停止した人を発見した場合に、アプリを起動させることで、119番通報、救命関連資格を持つSOS受信登録者への救助要請、さらにはAEDを設置している区立施設等に、同時に連絡し、救急車が到着する前に救急救命処置を行い、救命率を高めるシステムです。区では本アプリの有効性を認め、昨年度の実装実験を支援してまいりました結果、AED登録目標は100%を達成しました。しかしながら、SOS発信登録者及び受信登録者がそれぞれ目標の40%前後と低調なこともあり、実装実験の期間内に実際の救命活動は行われておりません。これは、アプリの起動範囲を豊島区内に限定したためであり、対策として本年度はアプリを全国対応に改修したところです。区といたしましては、コエイド119アプリの普及目標を達成することで、心肺停止の救命率が飛躍的に向上するものと考えており、本年度も引き続き、区の様々なイベントや防災訓練等の機会を通じて、普及を支援してまいります。