麺屋 ルリカケス
江東区(木場)
【メニュー】特製塩そば
【価格】1500円(特製分450円含む)
[訪問時期] 2022年7月下旬(休日) 昼
[注文方法] 券売機にて
[スープ] 鶏+魚貝/清湯
[味] 塩
[麺] 平打ち中細麺(150g位)
[トッピング] チャーシュー2種類、鶏団子、浅利ワンタン、肉ワンタン、海苔、味玉、穂先メンマ、焦がしネギ、紫玉ねぎ、カイワレ
[卓上] なし
予定していた遠征が中止になったので、都内の未訪店にでも。
「らーめん 改」ご出身で6月下旬にオープンしたお店なのだが、先ずワンメニューで始まった醤油にどうも惹かれなくて、塩のリリースを待っていた。
定刻7分前で2番手。
待つ間にその立て看板に貼られたメニュー案内を見て驚いた。
醤油と塩で、スープ、麺、トッピングどれも変えているようで、麺に至っては醤油2択、塩1択の3種類を用意している。
仕込みや調理に凄い手間がかかりそうで、その拘りようには頭が下がる。
開店時には5名待ち、やがて満席で外待ちが発生していた。
券売機では狙い通り塩そばを、肉ワンタン増しでと思っていたけど、肉ワンタンのボタンはなく、どうやら特製にしないと食べられないらしい💦
とくことで「特製塩そば」発注、1500円也。
奥から詰めて座ったカウンター席は、脇を締めないと肘が触れるほど席間が狭くて、仕切りもない💦
どうやら店主さんワンオペだと分かり、複雑に異なる塩と醤油をどうオペするのか、興味と不安が入り混じる。
答えはシンプル。
先ず醤油を1杯、その後で塩を3杯と、ロット分けして調理している。
それでも盛り付けには結構な時間がかかり、時はゆっくりと流れていく。
開店から20分ほどでご対麺。
■ スープ
塩スープは地鶏×鰹節×貝と案内されている。
因みに醤油は地鶏×鰹節だから、どこかで貝を合わせる工程だろう。
鶏油と相まった鶏のふくよかな旨味が主役で、奥底からアサリっぽい貝出汁>鰹の魚介陣が、アピールするようにじわじわと絡んで来る。
余韻に混ざる微かな酸味は鰹節由来かな。
時に複層的に、時に混然と迫るコク満載の出汁感に圧倒されるようで、これは凄いスープだね。
唯ひとつだけ申し上げるなら、強い出汁感が全体を円やかトーンに振っている感じで、もうちょい塩らしいキレもあると、更に個人的ど真ん中に近づきそうだ。
■ 麺
自家製、平打ち中サイズのストレート麺。
塩専用麺であり、醤油はこれとは別の手揉み麺か細麺をチョイスする。
ソフトな口当たりとライトな咀嚼感のしなやか麺で、特筆すべきはそのモチモチ感。
醤油の手揉み麺では「もち姫」を使っているようで、未確認だがこの麺にも配合されていそうだ。
「麺かためお断り」に象徴される通り元々狙った食感で、私などは最近とみに好みになっているタイプだが、世の中硬め好きな方が多いから賛否両論あるだろう。
■ トッピング
特製にしたこともあってかなり具沢山。
整理すると、デフォ具は豚肩ロースと黒豚モモチャーシュー各1枚、鶏団子、浅利ワンタン、穂先メンマ、焦がしネギ、紫玉ねぎ、カイワレ。
特製で豚肩ロースと黒豚モモチャーシュー各1枚、肉ワンタン2個、海苔3枚、味玉が追加になっている。
肩ロースは偶々だと思うが旨味が若干抜けた印象で、しっとり仕上げに旨味たっぷりの黒豚モモに軍配。
2種類のワンタンは、どちらもチュルンとした薄皮に包まれた逸品。
生姜の効いた鶏団子、濃密な卵黄の味玉も文句なし。
焦がしネギは効果的なアクセントだが、風味がこぼれやすいので、必要に応じて退避させる等のコントロールが必要かも知れない。
各々のパーツは悪くないし、450円の追加もまあ納得なのだが、個人的に特製はややゴチャゴチャしたイメージを持った。
■ 感想など
細かい部分はあるにせよ、練って拘り尽くした感がヒシヒシと伝わる美味しい塩そば。
醤油と塩で全てのパーツに変化をつけているのには、再度脱帽です。
一方で、特製の注文率が高いのは思惑通りでしょうが、案の定ワンオペではかなり時間がかかります。
これ以上メニューは増やせないだろうし、何より仕込みの負担もハンパないでしょう。
余計なお世話ですが、ご無理なさらず。
ご馳走様でした。