支那ソバ かづ屋
目黒区(目黒)
【注文】 ワンタンメン
【価格】 1030円(ワンタン280円含む)
[訪問時期] 2017年5月中旬(平日) 昼
[注文方法] 口頭注文、後会計
[出汁] 鶏+魚介/清湯
[味] 醤油
[麺] 中細麺(180g)
[具] チャーシュー、ワンタン、メンマ、海苔、刻み葱
外出ついでのランチは「たんたん亭」系巡りの旅。
目黒駅から10分強、まだお昼には早く広めの店内に先客は4名。
カウンター上のメニューをサッと確認し、予定通り標題を口頭で注文する。
店主さんの麺上げの平ざる捌きをじっくり見届け、お次は盛り付けを。。。と思ったら、女性スタッフにお任せだった。
しばらくして、一回り大き目な丼になみなみスープの一杯が登場する。
■ スープ
煮干や鯖節などがフワッと寄せて、それを鶏・豚の動物系が丁寧に支えている。
この系列を巡ると、お店ごとの微妙な違いに気付くことが多いが、当店のスープは自分が知る限りでは最も煮干を効かせたスペック。
旨味の凝縮やカエシの塩梅などバランスの取れたスープの中に、どこか素朴で垢抜けない一面も残している。
「たんたん亭」系の系譜を遡っていることを実感させてくれるような、じんわり染み入るスープである。
■ 麺
店奥の製麺室で打たれた、自家製やや華奢な中細ストレート。
しなやかな口当たり、喉にスッと流れ落ちるような感覚。
決して軟麺ではなく、この麺の真髄は伸びやかな弾力性にあるのだろう。
麺量は180gとのこと。
■ 具
チャーシュー、ワンタン、メンマ、海苔、刻み葱。
メンマを跨ぐようにチャーシューを載せ、その上に刻み葱、それを覆うように海苔。
王道の配置である。
海苔を外すとこんな感じ。
ところがロース系の叉焼はちょっといただけない。
食紅は薄っすら、周囲に塗られた蜂蜜の甘味は飛び、ペラペラ故に食感も響いてこない。
これは下ブレと思いたい。
テルテル坊主型のワンタンは6個全て肉ワンタンで、大きめな肉餡から生姜風味を携えた肉汁が流れ出る。
紛れもなく絶品。
メンマは思いのほかシナシニョ食感だった。
■ 感想など
今や当店は「八雲」と並んで数多の人材を輩出している、この系列の一大勢力。
「たんたん亭」系の源流にほど近い、その一杯を感慨深く堪能した。
「支那そば なかじま」や「支那ソバ 小むろ」等の独立店から遡ってみると、立ち位置の明確な違いが分かるような気がする。
当店は川の上流としての王道を頑なに守り、その水を枯らさないことに拘る立場。
それがあるからこそ、王道のベースを踏襲しながらも、現代の粋を感じさせるような独立店の進化が産まれて来る。
いやあ、ラーメンとは奥深い。
ご馳走さまでした。