ケータイ風小説(20) | オレ様のイイ文

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すっかりトラ毛のネコになってしまったオレ様が、世間にもう一度噛み付いてみる。

その19 はこちら

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「……こ!ま…こ!まあこ! 真亜子!」

パチパチという乾いた音と、頬に痛みを感じと共に、
聞き慣れない名前を呼ぶ声で私は目を覚ました。
徐々に取り戻す意識の中で、
私は逢ったこともない父の声を何故だか聞いた気がした。
何故面影の記憶もないのに父と思えるのだろう。
それでも私は父だと確信していた。
「貴女の危険は去りました。もう大丈夫。安心して-。」

「真亜子!」
「ゆ…由紀子…?」
「頭は打ってないみたい。」
「さゆ…り…?」
「真亜子、大丈夫?」
「私、一体…?」
「覚えてないの?」

それから小一時間、一見オーバーとも思える
身振り手振りを交えて、由紀子とさゆりは熱弁を奮った。
どうやら私を知っているらしい品の良い中年の男性が現れ、
彼と何か二言三言会話を交わしていた後に、
私は急にテーブルに突っ伏してしまったのだという。
「そ、その叔父さんは…?」
「う~ん、いつの間にか消えちゃったな。」
「真亜子を介抱するので必死だったから。」
私は何故だか自分の名前に引っ掛かっていた。

念のため病院に行った方が良い、と心配してくれる2人と別れて、
私はすっかり日が暮れた帰り道を1人歩いていた。
その中年は本当に父だったのだろうか。
そのショックで私は意識を失ってしまったのだろうか。
煮えきれない思いを抱きながらも、私は鞄のipodを再生した。

麻巳子さん…
いや、今は長友真亜子さん。
貴女は覚えていないだろうが、貴女にはある危険が訪れていた。
しかし貴女が自分の過去に関わってしまったことで名前が変わり、
結果的に彼らのリストから一時的に外れることになったようです。
いずれ、またお会いできる機会があるかもしれませんが、
その時はまたはじめましてのご挨拶から始めさせて頂きますよ。
それまでその子さん共々お元気で。

ipodには、見知らぬリンゴ型のペンダントがぶら下がっていた。
ドコで手に入れたものか、誰から貰ったものだったか思い出せなかったが、
きっとこの声の主からの預かり物だろう、と私は思った。
奇妙なことだが、見知らぬ中年男の異常なメッセージを、
私は何故だか不快には感じなかった。

遠い昔に聞いたことがある声で、
この先また耳にすることがあるような、
何故だかそんな気が少ししたからだった。


【第1部 完】

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某SNSで読者の皆様に3つの選択肢の中からご投票頂き、
所謂何でもアリ、の愛憎ケータイ小説を書きたかった作者にも
予想外です、の超展開を迎えた本ストーリーの顛末を
こちらにも転載してみました。


好評なら仕事との折り合いをつけて、また第2部も検討してみます。
長い間のご愛顧ありがとおございましたm(__)m