VIPライナー(平成コミュニティバス株式会社) | 本質の目 / 東京-関西間格安移動・高速バスの旅

本質の目 / 東京-関西間格安移動・高速バスの旅

世の中で誤解されていることを明快に説明します。また、高速バスを中心に、なるべく費用をかけずに長距離移動する体験談を書きます。

VIPライナーというブランド名の高速バスがあります。
平成コミュニティバス(株)が運行しています。


このブランドは、便数が多いです。

東京大阪間だけでも、1日10便以上運行しています。

女性専用車もあります。
ツアーバスから移行した夜行バスの中では大手のほうだと思います。
自分もよく利用しています。


VIPライナーには、他のブランドにない、いくつかの特徴があります。


【VIPライナーの特徴】
①VIPラウンジという独自の待合室を持っている
2013年7月の改正以降、単独で、もしくは、何社か共同で待合室を設ける高速バス会社も増えましたが、2013年7月以前は、ほとんどのツアーバスは、待合室などなく、乗客は、路上などに集合して、係員や運転手がその場で受付してました。

新宿だと、週末の夜のスバルビル前の歩道周辺は、高速バスを待つ人たちでごった返していました。
ところが、VIPライナーだけは、2013年7月以前から、独自で数か所の待合室を持っていて、受付もそこでしていました。
今ももちろん同じです。


VIPライナーが停車するすべての乗降場所にラウンジがあるわけではないですが、主だった場所にはラウンジが設けられています。

自分の知る限り、東京2か所(東京駅そば、新宿)、名古屋、京都、大阪2か所(梅田、なんば)の6か所あります。
けっこう、維持するための経費がかかっているのかな、と思いますが、バス料金はそんなに高くないです。

何か裏ワザでもあるのでしょうか。


なお、VIPラウンジは受付所兼待合室ですから、受付カウンターとイスは当然ありますが、その他に、以下の設備があります。
・給湯器(ドリンクバーと称しているが、水、お茶、コーヒーと味噌汁だけ)
・トイレ、着替えブース、化粧スペース(女性用)
・充電可能

・簡単な売店


この待合室は、バス乗車前に使用できるだけではなく、到着後も使用可能なので、早朝に目的地に着いて、時間をつぶさなければならないとき、居場所に困ることはありません。
ただし、横になって仮眠できるようなスペースはないです。(有料で仮眠可能なラウンジもあるらしいが、自分は使ったことがない)


②チェックインと同時に座席表のついたチケットが発行される
たいていの夜行バスは、バスに乗車するときに、座席の位置が知らされます。
しかし、VIPライナーの場合少し違います。
ラウンジで乗車するときに限りますが、ラウンジにチェックイン機があって、チェックインすると、座席表のついたチケットが発行されます。それで自分のその日の座席がわかるのです。


ついでに言うと、VIPラウンジから乗る場合のチェックは、3重ですね。

まず、ラウンジについたとき、チェックインしてチケットを発行。

次に、出発前にカウンター前でチケットのバーコードを係員が読みとる。

さらに、バスに乗る時に、運転手がチェック。3回もやります。

③独自の予約サイトで座席指定が可能
VIPライナーだけの特徴ではありませんが、予約は、楽天トラベルでもできますし、VIPライナー専用の予約サイトでもできます。VIPライナー専用のサイトでは、(全便ではありませんが)3列シートを中心に、座席指定が可能です。
ちなみに、同じバス便であっても、座席位置によって料金が違います。


④いろいろな座席タイプのバスがある
VIPライナーの座席タイプは、便ごとに全部異なるのではないかと思えるくらい、いろいろなタイプがあり、全部ばらばらで統一性がありません。
3列シート、4列シートがあるのはもちろん、同じ3列シートでもいろいろ。
・トイレあり、トイレ無、
・3列独立、1+2シート
・縦も7列から11列まで
・通常シート、電動リクライニングシート(楽延びシート)
などさまざまで、しかも、同じバスの中に、通常シートと電動リクライニングシートが混在している便もあります(当然、料金も異なる)


⑤バスのシートに物がたくさん置いてある
便によって異なりますが、バスのシートにいろいろなものがコテコテ置いてあります。
腰あて、肩あて、足置きの台など。
はっきり言って、自分にはどれも必要ないので、邪魔なだけです。
ただでさえ狭い車内スペースを余計に狭くしてどうするのか、と思います。
無駄なサービスですね。


⑥一斉リクライニング
夜行バスの場合、シートはかなり深くリクライニングできる場合があります。
しかし、いきなりリクライニングされると、後ろの人は迷惑です。
かといって、いちいち後の人に「倒します」と断るのもこれまた面倒です。
そこで、VIPライナーでは、リクライニングは、消灯の直前に全員が一斉に行うというルールになっています。
なので、消灯する前は、あまり座席を深く倒さないようにと指示されます。


一斉リクライニングのやり方は、たいてい、消灯の前に、車内で、いろいろな注意事項を説明するビデオ(または放送)が流れるのですが、その最後に、リクライニングするようにとのアナウンスが流れます。

実は、自分はVIPラインナーの一斉リクライニングが嫌いです。

一斉にリクライニングすること自体はトラブル予防のため、いいことだと思うのですが、アナウンスが嫌い。
というのは、アナウンスが、
「それでは、皆様、シートをフルに倒してください」と言うのです。
別に、フルに倒せといわなくても、自分の好きな角度に倒せばいいと思うのですよね。

なんでわざわざ、フルに倒せと言うのでしょうか。

これじゃ、フルに倒さないといけないみたいだし。
フルに倒さなくてもいいと思っている人までフルに倒すだろうし。

余計なひとことです。極めて個人的な意見ではありますが。


⑦サービスエリアの休憩時に、乗客の昇降をチェックする

サービスエリアで休憩したときに、我々客がバスから降りるときは、係員が、客1人1人に首からぶら下げるカードを手渡してくれます。

カードには、乗っているバスのナンバープレートが記載してあるので、自分の乗ったバスがわからなくなったとき、便利です。

さらに、このカードは、バスに戻ったときに回収されますので、戻ってきていない乗客がいないかのチェックになります。

係員の人は休憩中バスのところにずっと待機していなければならないので大変と思いますが、よいやり方だと思います。


といういくつかの独自の特徴があります。


【車両】
車両は、車体にVIP LINEARと書かれたバスが多いです。
色は青/水色系が多かったように思いますが、便によって全然異なります。


vip

また、バス便によっては、別の愛称がついている便もあり(たとえば、グランシアとか、アクアスターとか)、そういう便は、愛称が車体に書かれていたりもします。


【座席タイプ】
上述のように、便によってさまざまです。


【サービス】
ブランケットの貸し出しあり。
座席にコテコテといろいろ置いてあるのが個人的には嫌いです。
先日利用した名古屋東京便では、座席全体が厚さ数センチ以上あるマットで覆われていて、そのため、深く腰掛けることができませんでした。
脚も十分伸ばせないし、非常に座り心地が悪くて、腰を痛めてしまいました。
別の便でも、足元にでかい足置きが置いてあったりして、せっかくの足元ゆったりの座席をわざわざ狭くしてしまっていました。

いったい、何を考えているのかと思います。
身長が低い人には足置きも便利かもしれませんが、体格のいい人には邪魔なだけですよね。
サービスが何たるかを取り違えている会社です。


【予約・座席指定】
予約は、独自サイトのほか、楽天トラベルでも可能です。
独自サイトでは座席指定ができます。というか、出発の終日前の予約では、座席指定が必須です。(たぶん)
出発数日前から、「間際割」というのが設定され、これは逆に座席指定ができません。

 

一方、楽天トラベルで申し込む場合は、座席指定は一切不可です。
楽天トラベルの価格は、(ほぼ)一番安い座席の料金に設定されているので、専用サイトで申し込むよりも安い場合もあります。
また、料金は、日によって変動するようですので、うまいタイミングで予約できれば、かなりお安く購入することができます。


【利点欠点に関する個人的意見】
あくまで個人の好みですが、このブランドには好きなところと嫌いなところがあります。

嫌いなところ
①座席に余計なものがたくさん置いてあって、狭いし、座り心地が悪い。
②いっせいリクライニングのときに、「シートをフルに倒してください」と言うのが嫌い。


好きなところ
①ラウンジがあって、乗車前の時間調整が楽。
②予約の際に座席指定ができて、しかも、シートによってはかなりお安い席がある。
③他のブランドと比べて、料金に割安感がある。
  
というわけで、痛し痒しなのですが、便数が多いこともあって、個人的にはよく利用するブランドです。

基本的に、一番前の席が安く予約できそうなときか、他によい便がみつからないときは、このブランドを利用します。