神酒所へのご祝儀

 恒例の浅間神社の夏祭りは、初夏のような暑い日差しでしたから、さぞや盛り上がっているだろうと楽しみにして神酒所にご祝儀を持参しました。ところが、期待が大きかったためなのかどうかわかりませんが、賑わっているはずの神酒所には前の町会長が座っているだけで、ほとんど町会の役員の姿がありませんでした。後で聞いたところによると、嘘か本当か知りませんが、高齢者ばかりになったので、町会員への接待もままならず、酒のつまみ等も神酒所で作ることもできなくなったそうです。それでは、町会所有の神輿や山車を誰が差配するのでしょうか? おとなの神輿はともかく、山車を引いて廻るくらいしないと楽しみにしている子供達がガッカリしてしまうでしょう。

 

 それでも、夜になったら、お囃子の音も高らかに山車がやってやってきました。どうやら、例年通りのイベントをするらしいので、ホッとした半面、周囲が子供の頃のような一途なお祭り気分ではないことにも気づかされました。さすがに、山車のすぐ近くには人混みができていましたが、それを待っていて家から外に出て見物している人の姿がほとんど見られなかったからです。かっては、山車が来ると道路に出て、知り合いに声をかけたり、拍手して迎えたりしたものだからです。

 

 夏祭りがすぎると本格的な夏が来るという感覚でしたが、今年は、その前にもう夏が来てしまったようです。翌日に子供の山車が廻って来たときには、お世話役が皆さん夏のいでたちで麦わら帽子などをかぶっていました。そして、近くの町会長の家の前で休んで、飲み物を振舞われていました。それを横目に見ながらスポーツクラブに行きましたが、いつもの日曜日のようにウォーキングマシンも空いていないほど混んでいます。しかたないので、お風呂に入ったら、サウナも満員でした。近くの人は、たぶん神社の氏子が多いはずですが、ほとんどお祭りとは無関係な生活なのでしょう。それでも、お祭りの話をしていた人たちもいて、「昔のようにお祭りに家族が集まるようなこともなくなった」と言っていました。