梅屋敷にある桜の大木

 毎年楽しみにしている大木の桜に今年も会うことができました。たまたま、歩いていて、余りに見事な桜の木を見つけたので、ここ何年間かはこの時期になると会いに通っています。その大木が庭にある家が京急梅屋敷駅と行きつけの洋食の店の途中にあるので、駅から店に行く度に気になって見ていました。先週も通りましたが、まだ咲き初めで花びらが白っぽかったので、今年は、あんまり期待でいないのかな、と感じていたのです。

 

 しかし、満開になるとさすがに貫禄というか根性というか、他の半端な桜の木を寄せ付けないほどの圧倒的な存在感を示してくれました。朝から花見だけを目的に家を出てさ迷いましたが、最後に、やはり、訪れるだけの価値がありました。見上げると、絶妙のバランスで青空と花が溶け合っていて、何とも言えない美しさを表現してくれています。たまたま、暖かい日が続いたからでしょうが、一気に咲いた花びらが生き生きとしていて、まさか、すぐに散るなどとは思えないほどでした。

 

 桜の花は、前から好きで、岩手、弘前などの名所の桜を見て回ったこともありました。もっとも、見どころがあまりに短い桜ですから、瞬間的な旅では、その凄さがはっきりとはわかりません。花が咲いていない頃の木からイメージして、その最盛期を想像できないと、目前の桜が今年は不出来だったのか、あるいは、手入れが行き届いた結果なのかがよくわかりません。そうすると、吉野のように山全体が桜に覆われている雄大な風景よりも、この四季身近な大木が身近に思えてなりません。