唐獅子は向かう所敵無しの百獣の王


恐れるものなんて何も無い。


でも、体の毛につく小ちゃな虫が弱点なんだって。


でもこの虫はね、牡丹の花から滴り落ちる夜露にあたると死んじまうんだ。


だから唐獅子は、夜になると牡丹の花の下でその身を休めるの。
























片肌倶利伽羅紋紋一座 ざ☆くりもん

新春三館同時公演

『獅子相承』

『花嫁道中』

『人情寄場』

全11公演 

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無事に終えることができました!!!






まずは正月早々、この作品を観にご来場下さった全てのお客様に、心より感謝の気持ちと

『今年も皆様にとって、幸せな一年でありますように』

という祈りを捧げます。



この作品から今年の観劇始めの方も多いと思いますが、共にスタートを切れたことが嬉しかったです。

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前回の記事でもご紹介しましたが、また増えましたね。これを見て本当に沢山の方々に何度も観て頂けたんだなって思いました。









誕生日も
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クリスマスも
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年末も
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正月も
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ずっと一緒に過ごしてきたこの座組で、

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ドカンと打ち上げた11公演!!!


花火の後に身体に残る、あのドカンという音が今だに消えません。





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楽しかったぁ。


始まりあれば、終わりあり。







朝起きると


またこれか。


ズシっと胸のあたりに重い感覚。










伊蔵役の俊介と、稽古の最初の頃からこう言っていました。


「今回は全員野球の姿勢でぶつかっていこう」


その言葉と違わず本当にキャスト、スタッフ一丸となって作品を作ってこれたなと感じています。


だから、今


寂しいんだろうな。


楽しいだけじゃなくて、遊びじゃなくて、真剣に向き合った作品が僕達の核にあるから。










少しだけ、僕の愛した作品と役について書かせて下さい。




今作では『親子愛』が主軸のストーリーで走っている中、それと微妙に絡みながら、一つの愛の模様も描かれていました。


火消しの政五郎と、彫物師のお文。



「俺の背中の彫り物は、お前にって決めてたんだよ・・・」



背中の刺青は、火消しにとって守護神みたいなものだし、自分の人格を表すようなもの。



だからそれを好きな人に彫ってもらうことが、どれだけ特別なことか。





政五郎を演じるにあたってこの唐獅子牡丹が何よりも大切なものだったから、前作の『吉原万灯』の時も大変な仕事だったけど、背中に毎日描いてもらいました。


でも今回の『獅子相承』では、物語の途中で刺青が入るので台本を読んだ段階で、刺青を描くことは無理だろうなと思ったし、稽古を進めるうちに背中を見せない芝居で固めて、諦めていました。


それがいざ劇場に入って稽古をしている時に、衣装部の方が

「わたし、描きましょうか」

と言って下さる方がいたんです。



涙が出るほど嬉しかったなぁ。



たった10分しかない時間の中で、しかも毎公演、消しては描き、消しては描き。




入魂。

これが入ると、魂が入る。そんな喜びがありました。



唐獅子牡丹を彫るシーンで気持ちが入るようにと、お文役のまみ(加藤雅美さん)は毎公演、描くのを手伝ってくれました。

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「唐獅子にとって心休まる場所は、牡丹の花の下だけか・・・ じゃあ、政五郎さんにとってはお文ちゃんが牡丹みたいなもんだ」


「だったらいいけどね・・・」





お文がこの唐獅子と牡丹に、一針一針、祈りを込めて刺していた事を想うと


こいつを悲しませたくねぇ

絶対に死ねねぇ

って思うけど、





火消しは

火事で人が泣かねぇように

どうしても火事場に行っちまうんだよ。

辛い火事場を見れば見るほど

大切な人を残して、行っちまうんだよ。







公演期間中に感じていた不思議な感覚。



唐獅子牡丹が背中に入った後は一瞬の火事場のシーンしかありませんでしたが、僕は1年前に演じた約10年後の政五郎とシンクロしていました。


背中の唐獅子牡丹が俺を火の粉から守ってくれる。


獅子相承と吉原万灯のリンクを強く感じました。









まだまだ未熟で喧嘩っぱやくて酒好きで馬鹿なとこもあるけど、粋で男らしく、人情味があり、一人の女性を不器用ながらに一途に愛している政五郎という人間に、僕は強い憧れを抱いています。

だから、大好きなんでしょうね。

役から影響を受けたり、教えてもらうこと沢山。




背中の刺青は

初日↓

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中日↓

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日々進化してた!

楽日は牡丹が4つに増えてたし(笑)

女は強し、か。







「でも親父さん、身体大丈夫かね」

「生きてんだから、死ぬときゃ死ぬだろ」

「・・・お前は強いな」

「女だぞ。弱くてどうする。」

「・・・違えねぇや」





「女が男を信じてやらねぇでどうすんだ!」







だから、もっと強くなりたかった。

体作りもその一環でした。

大きな男の背中に、

説得力のある身体になりたかった。

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気付いたら、千秋楽にはゲネプロの日から5キロ痩せてたけど。

もう肉武装は解きます。

スレンダー田中を目指します。

いや、役に合わせましょう。












長々と書いてしまいました。






最後になりましたが、この作品を支えて下さった全てのスタッフの皆様、心より感謝申し上げます。

一人一人の顔が今浮かんできます。

少しでも成長した姿で、また皆様とご一緒できる日を楽しみにしています。

そして、稽古期間中から昨日まで、手紙やメッセージやコメントも含め、応援して下さった皆様





本当に本当にありがとうございました!!!!






















蔵の財をよりも、身の財

身の財よりも、心の財












二〇一六年   ざ☆くりもん

ありがとうございました!!!!!

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