ターンテーブルのメンテ依頼の作業記録が大台の20回目となってしまいました。(まだやってるの?)


メンテ対象機器

Technics 

MODEL SL-1200MK2-A

DIRECT DRIVE TURNTABLE SYSTEM

1号機


残置している点検箇所

プラッターの離脱の懸案(噛みつき)の再発防止対策の為、スピンドルの状況の確認及びクリーニング、注油を行います。


本日の作業は、上記懸案についての考察を行って、置きたいと思います。


スピンドルのシャフトにテーパー状の真鍮(しんちゅう)の部品を被せて、プラッタの自重によりスピンドルに固定している箇所(帯状に腐食跡)であり、ここが、懸案(噛みつき)の箇所です。




懸案(噛みつき)の原因(推定)

プラッタの上を水分を含んだ物で清掃などにより、プラッタとテーパー状の真鍮の部品の表面の微小の傷の隙間から水分が浸透して、異金属の接触により腐食が促進されたのでは無いかと思われます。


再発防止対策(実施)

テーパー状の真鍮の部品に発生している腐食跡を除去(清掃)、さらに、同腐食部に接触していたプラッタの腐食部を除去(清掃)しました。

(この部分は、回転部で無いので基本的には注油は不用ですが、腐食防止として散布は可)




当該箇所は、重量のあるプラテンをテーパー状の真鍮の部品により、中心を確保しながら(プラテンをスピンドルに)固定する唯一のか箇所なので、研磨などにより中心がズレことが無いようにほどほどにする必要がある。必要であれば、部品交換も視野に入れること!


今回のメンテナンス対象機器は、セーフ!


スピンドルにテーパー状の真鍮の部品を打ち込みして固定しているが、テーパー状の真鍮の部品が脱落防止の為のCクリップを取り外して、固定されていることを確認しました。


次の写真のとおり、軸(スピンドル)をベアリングからの抜きたいのですが、ギアに付属している一方向ロック機構が邪魔して抜けません。



リスクを承知で、更にスピンドルの動きには、全く問題無いので、本件について、無理矢理抜かない事にしました。ただし、軸(スピンドル)とベアリング間には、専用のオイルを塗布して滑らかな動きを確認しました。


ベアリングの底にあるスラストプレートの中央(黒色の丸型、素材は不明)にスピンドルの回転軸受けがあり、その軸受に汚れがありましたので、IPAで洗浄しました。



この軸受は、プラッタなどの荷重が集中するところなので固定ネジはしっかり止めて下さい。さらにこの軸受には、グリスの塗布しました。


以上のメンテナンス後、元のとおりに組み立てました。


編集後記

最初に簡単に注油すると書いてましたが、注油だけでも非常に難しい!油は、電子回路には天敵?

本件対象機器の機械的な部分のメンテはほぼ終了しましたので、次回は、電気的な動作をチェックします。

(としじ)