イヤイヤ、自分でも気持ちが良いぐらいこの日記を更新してませんでした。

というより、「筑前亀門烈伝」公演の準備が本格的に始まった、4月の後半ぐらいから怒涛の日々を過ごしていて、今なお、その日々は続いております。もう少し若い頃なら、『忙しい自慢』(笑)でも綴っていたのでしょうが、29歳の中田英寿が「自分探し」といいながら引退するのに、41歳の僕がまだ日々の出来事に追われている姿は少し哀れです。(笑)

 今は「精霊流し」の本番を目の前に控えながら、8月の公演「家なき子」の演出をかかえ、7月7日の「太宰府天満宮の朗読会」7月15日初日の少年科学文化会館での客演の芝居の稽古、それにレギュラーの番組出演と「新人歌手としてのキャンペーン」(笑)というような日々を送っています。何をやっていても何かをおろそかにしているような感じがしてしまいます。まあ、一番おろそかにしているのが自分自身のことですから大笑いです。


実は、劇団員が二人ほど怪我をして入院しています。一人は巡演作品「ノートルダム物語」のキャストで、代役をどうしようかと考えていたら、とうの昔に役者を引退した演出の市岡が自分が出るといってくれました。皆「ウヒョー!」と驚きました。僕は市岡を大笑いしてやろうと完全に興味本位で、稽古場をのぞいたら誰よりも舞台の上でのたうちまわっている市岡がいました。うろ覚えの台詞を必死にしゃべる市岡がいました。自分の演技のことに精一杯のはずなのに若手にダメダしをしている市岡がいました。

 僕は胸が熱くなりました。

 僕は大笑いすることはできませんでした。

 僕はほんの少し最近ふてくされている自分が恥ずかしくなりました。


事務所にもどってコピー用紙に「初心」と書いて机のすみに張りました。