特別警報も出された台風8号は、大雨による土石流や洪水被害を各地にもたらした。台風の足が遅いこともあって、9日からの東北の旅を決行した。しかし、梅雨前線が北上し台風本体の雨ではない大雨に見舞われた。東北道や山形道に入ってからも、先が見えなくなるような白い雨、ワイパーを最速にしても儘ならない降り。それでも、鳥海山登山の基地である湯の台温泉・鳥海山荘には16時に到着。しかし客は我々だけで、旅の先行きを暗示するかのようだった。

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旅から帰った横浜、台風の被害もない庭で、フシグロセンノウ(節黒仙翁・ナデシコ科の多年草)が今を盛りと朱色の花を見せてくれている。山育ちなのに、横浜の暑さに負けないで生きている。今年は雨が多いので、良い花を咲かせているようだ。八ヶ岳山麓の庭を朱に染めるのは、半月ほど先になるだろう。

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ヒメヒオウギズイセンが咲いている。アヤメ科のこの花、明治時代に渡来した園芸種が野生化して、今ではどこででも見られる。花茎には、こぼれ種から発芽したマルバアサガオの蔓が絡んでいた。

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10日の天気は曇り、降雨確率は終日50%。鳥海山荘から舗装された車道を登る。終点の吹浦口は標高1200㍍、霧と小雨けむる中で少し登山道を辿って見たが足元も悪い。コースには沢の渡渉もあり、大雨続きでは危険と退却を決めた。

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車道の脇には大きな雪渓が上から続いていた。雪のある斜面では、他よりもガスが濃く湧いている。一週間前に登った山荘の支配人の情報によると、今年は雨が少なかったので雪が多く残っているのだと。

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この日の登山は諦め、近くの羽黒山へ足を伸ばす。隋神門をくぐり1.7㌔続く巨木の聳える杉並木を上る。

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雨の上がったばかりの森の中は、普段以上に静かさが沁み入るようだ。

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国宝・羽黒山五重塔は杉木立に守られて、静かに佇んでいた。

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五重塔近くの「爺スギ」。樹齢は千年を越えるというこの杉にあやかりたい。農家レストラン「菜あ」で庄内の有機野菜で昼を済ませる、田圃の中にある農家に沢山の客が来るのも驚くが、我らもネットで知りナビに導かれて来たのだった。

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二日目は山からの下山に備えての鳥海温泉・遊楽里泊まり。遊佐町はカミサンらの生協の農産物の聖地、山に登れなくとも野菜などが買えてご満悦。この日も山は雨模様、酒田市内を巡り、鶴岡市立の賀茂水族館へ。新装なったクラゲドリーム館、平日にもかかわらず若者らの客を集めての大盛況。テレビなどの放映と、他とは違う内容の水族館が人を引き寄せているようだ。

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クラゲにはそれぞれ名前が付いている、幽霊クラゲなどというクラゲもあった。素人に名前はどうでも良いこと、プカプカと浮く(泳ぐ)姿を見ていると癒される。この日の泊まりは近くの湯の浜温泉・かめや。翌日は帰るだけ、山形から新潟へは国道を走ることもあって「道の駅めぐり」の旅、関越~圏央道・八王子~東名・海老名~横浜町田~横横を通って自宅に辿りついたのは、午後6時を過ぎてしまった。