9日から11日にかけて、二組の山の友達らが入れ替わりでやってきました。嬉しい悲鳴を上げながら、「遠方からの友」らと晩秋から初冬へ移りゆく山旅を楽しんできました。「朋(とも)遠方より来る有り、亦楽しからずや」論語のこの部分を、前後を切り離してここだけを口ずさんでいましたが、孔子さんの言っていることと、私の勝手な解釈は、大分違っていたようでした。精進ヶ滝には、9日と11日の二度も訪れてしまいました。案内する相手はもちろん違います、風の強かった日や穏やかな日と差はあったものの、周辺の山の紅葉には満足していただけたようです。

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精進ヶ滝は北杜市の武川地区にあり、日本の滝百選にも選ばれ落差は121㍍、関東では有数の滝と言われています。写真の上の滝が精進ヶ滝、下は九段の滝。私の小屋がある八ヶ岳山麓とは対岸ともいうべきところ、南アルプスにあるこの滝は、鳳凰三山の地蔵ヶ岳北面の水を集め石空(いしうとろ)川の源流となっています。今の時期は太陽の位置が低いので、滝周辺に日は差しません。曇り日の方が、滝をうまく撮るには適していたようです。訪れた二日とも快晴、午前中でしたが左前方山の稜線近くの太陽が、何とも眩しい存在でした。

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滝に向かう白州~武川への広域農道からの甲斐駒ヶ岳、稜線左肩のもっこりは摩利支天です。誰も採らないのでしょうか、青空に柿が浮かんでいました。

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精進ヶ滝へは、一の滝(魚止めの滝)、写真の二の滝(初見の滝)、三の滝(見返りの滝)を鉄ばしご、つり橋などを渡って登ること40分、比較的楽な行程です。

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駐車場から滝へ、最初に渡るのが石空(いしうとろ)川に懸かるつり橋、何と立派な橋なのでしょう。カラマツなどの紅葉が朝日を受け、輝いています。歩きだすと直ぐに、川沿いに日本列島を引き裂く静岡~糸魚川構造線、フォッサ・マグナの大断層の露頭を見ることもできます。

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茅ヶ岳から金峰山方向の眺め、眼下のカラマツ林などの紅葉が、山襞を強調するように染め上げています。10日に二組の友らを纏めてご案内したもの。頂上からの眺めは快晴ですから360度の筈でしたが、八ヶ岳と南アルプスの頂は雲に隠れてしまいました。

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ここからの富士の眺めは秀逸、甲府盆地に靄が懸かっていますが、少し雪を付けた霊峰はお構いなしに聳えています。

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深田久弥終焉の地は、頂上近くの稜線にあります。お酒が好きだったのでしょうか、ワンカップが供えられています。昔は木の柱が建っているだけでしたが、今は新しい石碑が作られていました。登山口近くにある記念公園には、「百の頂に百の喜びあり・深田久弥」の立派な碑が建てられています。

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茅ヶ岳(1704㍍)山頂での記念写真。この山からの眺めはもちろん良いのですが、深田さんの名前で来る登山者も多いのでしょう。駐車場は平日なのに、各地からの車や観光バスも停まって人気の程がうかがい知れます。