里のソメイヨシノが葉桜になる頃、標高が1000㍍を超える八ケ岳の山麓でフジザクラが咲きだします。コブシなどが枯れ林の木々を彩るかのように、白い花を付けるのもこのころです。都心近くの山々は、雑木の芽出しやヤマザクラも咲きだして、柔らかな色合いを醸し出しています。しかし、八ケ岳周辺の山を見渡すと、雪も残っており春の変化はまだ実感できません。

富士桜、ミツバツツジ祭りが河口湖で開かれるのは25日から。赤松林の樹間で薄桃色に楚々と咲くミツバツツジは、日本画的な美しさを持っています。写真は八ケ岳を背景に、すこし下った大泉町で18日に撮ったもの、わが小屋のシンボルツリーに育ってきたミツバツツジは、やっと蕾が色づいてきました。

フジザクラ、小屋近くの山林で咲いていました。ソメイヨシノやヤマザクラのような大木は見当たりません。樹高は一㍍、幹の太さが菜箸ほどでも下向きの花を咲かせています。

コブシが咲くと、北国にも春と歌われました。カラマツの芽出しが始まる頃に、樹林の中を白く染めて、コブシが生えていたのを教えてくれます。

おまけ
このスミレは葉が細長いので、ノジスミレ。18日、横浜に戻って来ました。自宅近くの草むらで群生しているのを見つけたものです。少し前、日野公園墓地の山林で見つけアップしたスミレは、葉がハート形のタチツボスミレ系。松尾芭蕉の「山路来て 何やらゆかし すみれ草」の句は、タチツボのようです。スミレもたくさん種類があって、同定が難しいのもあります。「手に取るな やはり野におけ すみれ草」と言われていますが、そのとおり自然の中が一番美しい。