大陸からの乾いた空気が入って、秋の高気圧に被われた日本列島は全国的に晴れ上がりました。久しぶりの青空のもと、ひんやりとした風を背にした北八ッ・天狗岳、360度の展望を独り占めしながらの尾根歩き。周りの山は何度も観ているのですが、やはり見えれば嬉しく元気が出ます。天狗岳に登ろうという密かな願いは、やっと実現したのです。昨日(9日)早起きして唐沢鉱泉から西天狗・東天狗に登り、黒百合平を経て唐沢鉱泉に戻る日帰り山行でした。

この日登った天狗岳は、07年3月に「八ヶ岳歩こう会」の仲間4人とスノーシューで挑み、風と気温の低下で頂上を目前にして撤退した苦い思い出があります。山頂は狭いのですが登ってくる人も少ないので、10時から一時間ほど360度の展望を楽しみました。背景の山は北アルプスの乗鞍岳から穂高へと続く山脈です。
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西天狗から赤岳、阿弥陀岳を撮ったものです。左には迫力ある硫黄岳の爆裂火口が望めます。南北に約30㎞と長い連峰の八ヶ岳は、山全域が火山です。眼下にある夏沢峠から南にある南八ヶ岳と呼ばれる山が七つ、そして北八ヶ岳の天狗岳を入れて八つの峰が連なり八ヶ岳と呼ばれています。

東天狗岳(2640㍍)、西天狗から撮ったものです。這松に被われたこの稜線、足下の色づいたコケモモの実を眺めながら歩くのは楽しい一時でした。

西天狗を東天狗方向から撮りました。登山道周りのガレ場は、人が歩くことで広がっているように感じました。

南アルプスの左から北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳の御三家。北八ッから眺めると少し遠くなりますが、やはり何度眺めても飽きない山脈です。

北アルプスの穂高連峰や槍ヶ岳が雪のないときに、このようにハッキリと望めたのは珍しいこと。空気が澄んでいたのでしょう。手前の色の変わった山は霧ヶ峰高原、右端には車山の気象レーダードームも望めました。

空木岳から木曽駒ヶ岳へと続く中央アルプスの山脈も大きい。

縞枯れ現象は北八ッでは珍しくはありません。縞枯れがなぜ起こるのか、まだ分かっていないようです。針葉樹の世代交代なのか、立ち枯れた木の下にはシラビソなどが育っています。