板東33観音巡礼第21番の日輪寺は、福島県と茨城の県境にある八溝山頂上から少し下がったところにある。古くは山岳霊場として修験・山伏の修行の場でもあったので山も険しく、他の札所は打ち終えてもここだけは残してしまう、という巡礼も多い。

板東の霊場巡礼を始めたのは平成14年2月、鎌倉の第一番・杉本寺で発願し5年もたったというのにまだ結願に至っていない。巡礼を休んでいたのは、近くに住む弟がリタイアしたら一緒に周りたい、というので待っていたのがその理由、関八州は広いので同行者が増えるのは心強い。

今では車道が整備され、冬季を除けば乗用車で登ることが出来るようになった。この日は雲が厚くたれ込めガスもでる最悪の天気、しかし、昨夜来の強い雷雨が止んでくれ登れたのは何よりだ。弟と二人、大子町の旅館に泊まって来た甲斐があった。

八溝山(1022㍍)の頂上には展望台があり、晴れていれば日光連山や富士山を望むことが出来るのだが、今日はガスに阻まれてしまった。

7日、大子町の旅館に入る前に、寄り道し「袋田の滝」を観てきた。NHKのテレビカメラが滝を常時写し、時折放送もされるので何度も来ているような気がしていたが、ここに来たのは50年振りだ。雨が少ないせいか、落下する水量が少ない。

茨城と福島の県境から栃木県に入り100㎞ほど南下すると、素朴な焼き物の町として有名な益子に着く。町の中心部から約2㎞の山中に第20番の西明寺があり、荘厳な佇まいのなかにある本堂、仁王門や三重塔などは重要文化財に指定されている。


笠間から岩瀬へ約25㎞で第24番の楽法寺(雨引観音)に着く。関東一帯に信徒を擁しこの地方の巨刹として維持され、真言宗豊山派の修行僧養成の場にもなっている。

楽法寺の多宝塔は美しい。放し飼いの孔雀がいる庭、多宝塔の前をお勤めの僧が本堂に向かっていった。
今回は茨城県の最北から南下、栃木を通りまた茨城と4箇所を打った。33箇所のうち15箇所を終わったのだが、次は何処に何時行くかも決まってないのだから、まだまだ終わりそうにない。