仙丈ヶ岳 |
朝飯を食べて出発したのは4時20分、あたりはまだ暗い。熊よけの鈴を鳴らし、ヘッドランプの明かりだけの山道は寂しいものです。一人は自然とピッチが上がってしまう。30分もすると一人の登山者に追いついた、同じ小屋に宿泊していた方らしい。足が強くないから今日は頂上に近い千丈小屋に泊まるとのこと、こちらは日帰り登山だから先に行かせて頂く。
5時半を過ぎる頃には薄明るくなって、ライトもいらなくなったころに上の方で賑やかな声が聞こえてきた。3合目で休憩したとのことで追いついたのでしょうが、元気な女性の3人パーティ。まだシラビソの林の中だったのですが、雲が一瞬ですが真っ赤に染まり、かの元気おばさんらがまたまた歓声をあげる。低山も含めて歩いている人の半分以上は女性、ほとんどが子育ての終わった年代。おばちゃん達のパワーには負けてしまいます。林を抜けていれば良い写真も撮れただろうが、尾根に出るまでにはまだ1時間半の急登が続きます。




最後の登りを詰めると目指す頂上は目前、山頂には人影が見えます。焦ることはありません、廻りの景色を網膜にしっかりと焼き付けながらゆっくり登る、至福のゴールでした。




帰路は登ってきたコースを避けて、馬の背から藪沢小屋へと谷筋を下りました。同じ径を下らなかったのは、経験を蓄積する為もあります。このコースは水も豊富にあることで、高山植物も多いことが分かります。しかし谷ですから残雪も多そうです。五合目(大滝頭)で上ってきた登山道に合流、休みなしで一気に下りました。バスの時間は13時、それに乗れなければ15時まで待つことになるのです。頑張ったお陰で12時半には小屋に到着できました。
山の中では人にあまり会わなかったのに、北沢峠には沢山の人がいます。オフシーズンだがさすが南アルプス登山の玄関口、広河原からのバスで此処まで来て戸台口行きのバスに乗り換える登山者も多い。預けた荷物を引き取って帰路のバスに乗ってはじめて、無事に下山できたことの喜びが満ちてきました。
仙流荘の駐車場に戻って、最初にしたことは山仲間への無事に下山したことの報告でした。先輩らは中央道を横浜に向けて走っている所でした。私は八ヶ岳の山荘に3時半に戻ってシャワーを浴び直ぐに洗濯、荷物の片付けと大わらわの一日でした。
山荘の修理を友人に明日頼んでいるのですからノンビリは出来ません。足腰が痛いなどと言っていては、無償で大工仕事をしてくれる友達(野辺山に自分で別荘を作った人)の手前もあって弱音は禁物。手伝いをし、私で出来る小さな仕事を熟す毎日でしたので、山日記をブログにアップするのが遅れてしまいました。7日にはカミサンらが列車で来ますので、それまでに後片付けも終わっていないと叱られそう。キノコ採りや栗拾いも暫くは出来そうにありません。