ラリージャパンの最終レグは新得の2ステージのループと札内のスーパーSSの5つのSSで争われました。
新井敏弘選手は、前日までの奴田原選手との差をさらに広げる激走でPCWRC優勝を果たしました。総合でも12位に入り、昨年に続きグループN制覇、日本人最上位と結果を残しました。
この日新井敏弘選手は非常にリラックスした表情でサービスパークに現れた。テレビクルーの取材にも笑顔で、「車も問題ないし、しっかり走るだけ」と自信を見せていました。
SS21、SS22は路面もやわらかくスリッピーとの事だったが、新井敏弘選手は連続のステージベストを叩き出し、サービスへ戻ってきました。
TC前のインタビューエリアでは、コ・ドライバーから修復などの必要がある場所を聞き、さらに破損などないかチェックします。そして、サービスインするわずかな時間の中で行うメニューを決定し、他のメカニックに伝達、パーツの準備をして待ちます。
このサービスでは、特に問題もなく、残るステージ3つを無事に終え、戻ることを祈りつつマシンを送り出しました。
SS24がスタートし、しばらくすると総合首位をキープしていたP.ソルベルグ選手がストップしたとの情報、前車によって掘り起こされた大きな石にヒットし、サスペンションにダメージを負ってしまったようだ。ペターと新井敏弘選手の2クラス制覇が目の前だっただけに、SUBARU関係者の落胆は大きかったようだ。
その影響も考えられ、心配された新井敏弘選手だが、ペターのリタイヤを見て少し慎重さを持ったようだが、このステージもトップタイムをマークし、最終ステージへと進んだ。
最後のSSでは2番手タイムでフィニッシュし、PCWRC今期3勝目を上げ、これでポイントでも首位に返り咲き、2番手のM.リガトとの差が7ポイントとなり、最終戦オーストラリアで6位以上のフィニッシュで念願のワールドタイトル獲得となる。
サービスパークに戻った新井敏弘選手には多くのメディアが集まり、母国での2年連続のグループN制覇の快挙に注目がされている。
最後のサービスではポディウムフィニッシュ用にバンパーの交換、洗車が行われたが、急遽予定以外のリヤキャリパーの交換作業があった。
新井敏弘選手によると最終SSの残り10kmでブレーキキャリパーが破損し、フリュードが漏れ、ブレーキが効かなくなったとのこと。つまりは残り10kmをノーブレーキで走行したことになる。
「いや、下りのノーブレーキはきついねぇ。」
そんな状態でもコースオフすることなく、マシンを操る新井敏弘選手のテクニックと精神力は脱帽である。
サービスを見守るファンの皆様からの「おめでとう!」の大声援に新井敏弘選手も最高の笑顔で応えていました。
スタッフにも握手で労いの言葉をかけ、次から次へのインタビューに答えます。
サービスが終了し、マシンをパルクフェルメへ移動後、テントに戻った新井敏弘選手に息子さんから「1等賞」のプレゼント。実は1日(土)は息子さんの運動会で、終了後
北海道入り。
レグ1終了後の夜に「お前が来たときには、1番を走っているからな」(実際には群馬弁・・・)と電話で約束したとおり、優勝した新井敏弘選手に運動会で獲得した「1等賞」の札をプレゼントしたのでした。このときも最高な笑顔を見せていました。
このあと、ポディウムフィニッシュが行われ、メディアコンファレンスなど多忙なスケジュールをこなし、暗くなったころテントへ戻ってきました。
ファンの方からいただいた特製ダルマに約束どおり目をいれることが出来ました。
今夜は祝勝会といきたいところですが、このあと新井敏弘選手はテレビの出演、関係者への挨拶などスケジュールがうまっており、どうなることか・・・。
さらにスタッフも次戦オーストラリアへのコンテナ出しが明日のため、車検でばらされたマシンの修復・整備、荷物の整理に追われ、終了は深夜となることでしょう。
2年目のラリージャパン、新井敏弘選手にとって最高の結果を残すことが出来ました。
多くの方からのご声援を頂き、ありがとうございました。最終戦オーストラリアは11月11日~13日の行われます。
※パソコントラブルにより、更新が遅くなり申し訳ございません。