「ふれあい」
作詞 山川啓介 作曲 いずみたく
歌 中村雅俊(1974年7月1日リリース)



1974年(昭和49年)4月9日から9月29日にかけて放映された、日本テレビ系の「われら青春!」の挿入歌。日曜夜8時の「青春シリーズ」は、夏木陽介さんの「青春とはなんだ」を皮切りに、竜雷太さんの「これが青春だ」「でっかい青春」、浜畑賢吉さんの「進め!青春」、そして村野武範さんの「飛び出せ!青春」と連作されてきました。東宝=テアトルプロ制作のシリーズとしては、最終作となるのが、中村雅俊さんが沖田俊先生に扮した「われら青春!」でした。このシリーズは、いずみたくさんが主題歌を手がけておられ、布施明さんの「若い明日」「貴様と俺」(「青春とはなんだ」)、「これが青春だ」、「でっかい青春」、そして「太陽がくれた季節」「青春の旅」( 「飛び出せ!青春」)などなどの青春愛唱歌が誕生しました。


「われら青春!」は、前作「飛び出せ!青春」と同じ太陽学園を舞台にして、前作の生徒役だった穂積ペペさん、青木英美さんもOBとしてレギュラー出演、江川教頭(穂積隆信さん)、塚本先生(柳生博さん)も登場します。番組の主題歌は「帰らざる日のために」(いずみたくシンガーズ)でした。 余談ですが、この曲の詞は素晴らしいと思います。「生まれてきたのはなぜさ 教えて僕らは誰さ」という歌い出しは、青春期のアイデンティティについての悩みを表現した傑作じゃないでしょうか?

http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND11296/index.html

さて、中村雅俊さんの歌う「ふれあい」は、番組放映中の74年7月にリリースされ、オリコン初登場10位にランキング、すぐに1位となり10週連続で1位となるほどの大ヒットとなりました

個人的には傑作「飛び出せ!青春」と比べると、番組はややトーンダウンしたものの、中村雅俊さんの型破りな先生像は、この曲のイメージとともにお茶の間に浸透し、「青春ド真ん中!」(78年)、「ゆうひが丘の総理大臣」(同~79年)など連作されることとなります。

http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND4049/index.html

僕は、このドラマが放映されている頃、小学校高学年でしたが、カップリングの「青春貴族」は、それまでの青春シリーズの「貴様と俺」同様、同級生たちとの愛唱歌で、それこそ遠足のバスや、お楽しみ会などで歌っていました。

山川啓介さん、いずみたくさんの「夜明けのスキャット」コンビによる、70年代を象徴する青春ソングでもあり、歌手・中村雅俊さんはこの曲から誕生することとなります。

これもまた「スタンダードナンバー~オトナの歌謡曲~」で歌われる予定です。

https://ticket.kyodotokyo.com/jigyo.do?jigyoBango=9Y27&unitCode=671

日本のポップスを確立した3人の作曲家、
中村八大・いずみたく・浜口庫之助の
名曲を歌い継ぐコンサート。

2009年11月24日(火)新宿文化センター大ホール
開場18:00 開演:18:30

出演:由紀さおり/遊佐未森/今野英明/バンバンバザール/土岐麻子/羊毛とおはな/中山うり/藤澤ノリマサ/中村中/阿部芙蓉美
演奏:鈴木総一朗
総合司会:柿木央久
ようやく、念願ともいうべき、市川準監督のデビュー作『BU・SU』はじめ5作品が初DVD化の運びとなりました。
http://ichikawa-jun.com/sp/dvd.html

ここでは松竹さんから10月28日にリリースされるDVD-BOX「memories of 市川準」のブックレットのために書き下ろした原稿とは別テイクとして、市川作品について、あれこれと綴っていきます。


第三回「つぐみ」

1990.10.20『つぐみ』 
【出演】牧瀬里穂、中嶋朋子、白島靖代、真田広之 ほか

作品について

この映画化が持ちかけられたとき、市川は「小説『TUGUMI』から、映画の土台になる部分を抽出する作業をはじめた。
「それは、何か楽しい作業のように感じられたのだ。だからそこまでは、自分でやりたいと思った。
そのくらい、『TUGUMI』は、自分にぴったりきていたと思う。」(「シナリオ」1990年11月号より)と、自らシナリオを手がけることにして、70ページほどの準備稿を仕上げたという。
市川によれば、原作のプロットの並び替えの合間に、「日本映画戦後黄金時代」(日本ブックライブラリー)という映画のスチル集のなかから、好きな写真をコピーして、スクラップしながら、写真にインスパイアされた短い言葉を、キャプションのように書き込んでいったという。
なかでも高峰秀子の写真が多かったというが、それが、『つぐみ』の冒頭で、まりあ(中島朋子)と母(高橋節子)が、銀座にあった映画館・銀座文化(現・シネスイッチ銀座)で、木下恵介監督の名作『二十四の瞳』(1954年松竹)を観ているシーンに発展したと考えると、実に楽しい。
小豆島から金刀比羅宮近くの店に、奉公に出された松ちゃんを訪ねる大石先生(高峰秀子)。『二十四の瞳』でも印象深いエピソードだが、大石先生や松ちゃんの気持ちは、これから展開される『つぐみ』の物語に、微かながらトレースされているような気がする。
「つぐみは、いじわるで粗野で口が悪く、わがままで甘ったれで、ずるがしこい」「人のいちばんいやがることを、絶妙のタイミングと、的確な描写でずけずけと言う時の、勝ち誇ったさまは、まるで悪魔のようだった。」
まりあの言葉どおり、つぐみの無茶苦茶な行動や言動が、観るものにとっては微笑ましく、本当にチャーミングに描かれていく。
市川映画を観るよろこびは、こうした何気ないショットにある優しさを、味わうよろこびでもある。

『つぐみ』の風景

●勝鬨橋
映画の冒頭、築地市場が登場する。銀座にほど近い市場で、威勢良く働く人々が描かれる。隅田川にかかるかちどき橋は、しばしば市川作品にも登場する、東京のランドマーク。1940(昭和15)年に完成した可動橋で、かつては、東京湾から航行してくる船舶のために、橋が跳開していた。

●松崎町
つぐみの住んでいるのは、伊豆半島南西部の海岸沿いにある、静岡県賀茂郡松崎町。明治時代から昭和初期にかけて、防火、保温、防湿を目的として、作られた“なまこ壁”が町のあちこちに見受けられる。

●旅館梶寅
つぐみの実家は、松崎港の入口ある梶寅旅館。父(安田伸)と母(渡辺美佐子)は、病弱ゆえのつぐみのわがまま放題に振り回されながら、この旅館を切り盛りしている。ほど近くにある瀬崎稲荷神社は、松崎港の突堤に通じる道にあり、航海の安全祈願、大漁祈願の神社として、親しまれている2005年前まで営業をしており、現在でも「つぐみの宿」として建物は現存している。

●音楽の風景
♪キリンのワルツ 唄/牧瀬里穂
作詞・作曲/つかもとひろあき 編曲/板倉文

♪おかしな午後 唄/小川美潮
作詞/小川美潮 作曲・編曲/板倉文
「涙くんさよなら」
作詞 作曲 浜口庫之助
英語 歌 ジョニー・ティロットソン( 1965年/MGMレコード)




歌 ジャニーズ(1966年4月/ビクター)



言わずと知れた、日本のスタンダードといえばこの曲でしょう。ジョニー・ティロットソンさんが英語と日本語でそれぞれ歌い(1965年)、続いてジャニーズ(1966年)、そして坂本九さん(1969年)が歌って、それぞれ大ヒットしました。昭和41(1966)年7月には、そのジョニー・ティロットソンさんも出演した日活映画『涙くんさよなら』が公開されます。ジュディ・オングさん、そして日活が誇るGSバンド”日活ヤング・アンド・フレッシュ”の面々が出演しています。

この映画ではタイトルバックに、ジョニー・ティロットソンさんの日本語ヴァージョンが流れます。アメリカから瞼の母を訪ねて来日したヒロインのジュディ・オングさんとともに、東京から京都まで1931年型ダットサン!を駆って、ヤング・アンド・フレッシュの和田浩治さん、山内賢さんたちが、京都まで珍道中を繰り広げます。和田さんの彼女を演じているのは、太田雅子時代の梶芽衣子さんです。

ジョニーさんは、来日して、湯川れい子さん司会のモーニングショーで、英語版を歌い、ヤング・アンド・フレッシュも浅草橋を望む隅田川のダルマ船上で、インスト演奏します。さらに、名古屋のホテルで悲しみにくれるジュディ・オングさんのために、ヤング・アンド・フレッシュの諸君が演奏し、山内賢さんが歌います。映画には、この曲がふんだんに出て来ます。おまけに、京都のナイトクラブ”ミカド”では、ジョニーさんが、ハマクラさんの「バラが咲いた」を日本語で歌ってくれます。

ともあれ、1966年、この歌は折からのカレッジフォークブームのなかで、若者たちの愛唱歌として浸透します。それをふまえて、1969年に坂本九さん(東芝音工)が吹き込んだヴァージョンで、子供たちの間でも一気にスタンダードとなるわけです。この坂本九さん版のアレンジは、それまで耳馴染んで来たシンプルなギターのイントロではなく、ゴージャスな橋本光雄さんの編曲でした。

この曲のヒットでさまざまな人がカヴァーをしましたが、和田弘とマヒナスターズのヴァージョンがなかなか素敵です。最近では(といっても前世紀になりますが)、TBS「愛の劇場」の人気ドラマ「天までとどけ」(1991~2004年)の主題歌として、川越美和さん、Emuさん、そして安達祐実さんが歌って、あらゆる世代の愛唱歌となっております。

僕は、小学校の頃、遠足に行ったときに、クラスの皆で歌ったのが強烈な印象として残っています。1960年代前半生まれにとっては、やっぱり坂本九さんのイメージが鮮烈です。なんたって「ジェンカ」の九ちゃんですから。

http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND45602/index.html

悲しみを「Mr.Tears」「涙くん」と擬人化するのは、英語のスタンダードの話法ですが、ポジティブな詞の世界は、まさしくハマクラさんの味でもあります。青島幸男さん作詞、中村八大さん作曲の「明日があるさ」同様、何年か周期でリバイバルされ、歌い継がれている理由は、この「ポジティブさ」にあると思います。センチメンタルだけど、ポジティブ。それが、ウエットな日本の歌の世界にはなかったもの、だからこそのスタンダード、だと思います。

これもまた「スタンダードナンバー~オトナの歌謡曲~」で歌われる予定です。

https://ticket.kyodotokyo.com/jigyo.do?jigyoBango=9Y27&unitCode=671

日本のポップスを確立した3人の作曲家、
中村八大・いずみたく・浜口庫之助の
名曲を歌い継ぐコンサート。

2009年11月24日(火)新宿文化センター大ホール
開場18:00 開演:18:30

出演:由紀さおり/遊佐未森/今野英明/バンバンバザール/土岐麻子/羊毛とおはな/中山うり/藤澤ノリマサ/中村中/阿部芙蓉美
演奏:鈴木総一朗
総合司会:柿木央久