昨日、都内で行われた「長谷部安春監督を偲ぶ会」に出席してまいりました。
長谷部監督とは、この日記にも書いたように、日活アクション関連の仕事を通じておつきあいさせていただいておりました。6月の訃報は、とてもショックでした。

昨夜の会は、日活時代から、最後の仕事となった「相棒」の現在まで、長谷部監督とお仕事を共にされた、スタッフ、キャストの方々が集まり、監督の人柄が偲ばれる会となりました。宍戸錠さん、川地民夫さん、梶芽衣子(太田雅子)さん、舘ひろしさん、柴田恭兵さん、水谷豊さん・・・ みなさんのスピーチの一つ一つが心に沁みました。

会場にしつらえられたスクリーンに写る、長谷部作品クロニクル。『野獣を消せ』のオープニング、『女番長 野良猫ロック』の巻頭でのヒロイン登場の瞬間、なんど観てもイイですね。

会の後半に、蔵原惟二監督編集による、長谷部監督リスペクトの映像も素晴らしかったです。

会場にディスプレイされていた長谷部監督愛用の品々、撮影台本の数々・・・僕が監督にお目にかかったときに、肩から下げられておられたショルダーバッグと、その時見せていただいた「撮影台本」を眺めているうちに感無量となりました。

錠さんとも話したのですが『みな殺しの拳銃』や『縄張はもらった』がDVDになっていないのはオカシイと。川地さんとも『野獣を消せ』のお話をしていて、未DVD化であることを驚かれていました。もし、僕に出来る仕事があれば、それを実現すること、だと、改めて思いました。

そして「大都会PART2」の渋谷病院の看護婦さん、いえ、舛田利雄監督のお嬢様の紀子さんとも、ゆっくりお話ができたことも、良かったです。

そして、発起人の皆様、素晴らしい会、本当にありがとうございました。アクション映画、ドラマを、愛し続けてきて、本当に良かったと思います。
昨日、都内で開催された坂本冬美さんの新アルバムのコンベンションで、トークの進行をつとめさせていただきました。10月7日にEMIミュージックジャパンからリリースされる「Love Songs」は、Jスタンダードの数々を、坂本冬美さんがカヴァーしたアルバムです。演歌の「コブシ」を封印して、スタンダードシンガーとして歌い上げた、大人のポップスアルバムです。

また君に恋してる  2007年 ビリー・バンバン
恋しくて 1990年 BEGIN
あの日にかえりたい 1975年 荒井由実
会いたい 1990年 沢田知可子
言葉にできない 1982年 オフコース
恋 1980年 松山千春
夏をあきらめて 1982年 サザンオールスターズ
シルエットロマンス 1981年 大橋純子
片想い 1978年 浜田省吾
なごり雪       1975年 イルカ
時の過ぎゆくままに  1975年 沢田研二
大阪で生まれた女    1979年 BORO

というラインナップです。
このアルバム、イイですよ。

全曲解説を執筆させていただいた、ご縁で、昨日のトークとなりました。
坂本冬美さんが「また君に恋してる」を生で唄った後、
ステージに上がらせていただいて、冬美さん、今回のプロデューサーのEMIの山口栄光さんと、アルバム曲を聞きながらのトークとなりました。

ここでは 」「あの日にかえりたい」
「恋」
「時の過ぎゆくままに」
の音源をかけながら、ラジオ番組のように、ざっくばらんに座談しました。

僕に与えられた時間、めいっぱい、冬美さんのお話を伺いました。レコーディングのこと、楽曲のこと、忌野清志郎さんのこと・・・ 今回の試みは、演歌歌手としてではなく、スタンダードシンガー・坂本冬美の誕生につながった、ということをお話させていただくと、冬美さんは清志郎さんとの出会いなくしては、今の自分はなかったと、お話されました。

その後、「恋しくて」「大阪で生まれた女」を生で唄われ、コンベンションは最高潮に・・・

ともあれ、10月7日のアルバム「Love Songs」をお聞きください。そして、ライナーノーツがそのガイドになれば、幸いです。

佐藤利明のブログ-冬美さん
とある原稿依頼があり、山口百恵さんの映画について書く事になりました。

というわけで、「モモトモ映画」(懐かしいフレーズ!)の検証に入りました。『伊豆の踊子』はいつも観ているので、「百恵、フィナーレ」の『古都』(1980年)から見直しておりますが、いやぁ、市川崑さん、やりますなぁ。

何が良いって、この映画、登場人物、全員「イイ人」なんです。幼くして生き別れた双子の姉妹が再会、ひととき交流をする。それを見守る、姉・千重子の育ての親、(歌舞伎の三代目)實川延若さんと岸恵子さん夫婦のやりとり。そして北山杉の山持ちさんに奉公している、妹・苗子と、その山持ちさんご夫婦の、小林昭二さんと三條美紀さん。意地悪な継父継母ではありません。因業な雇い主でありません。不幸な身の上のヒロイン二人を、それぞれ暖かく見守る、それだけです。

彼女たちをとりまく、若い男の人たちもイイ人です。北詰友樹さん、沖雅也さん、石田信之さん、そして三浦友和さん。特に、千重子と幼友達の北詰友樹さんは、彼女に心魅かれていたのに、猪突猛進の兄・沖雅也さんとの仲を取り持ちます。その微妙な心理が、きっちり描かれているので、ムリはありません。現代青年で、着物ビジネスをバリバリやっている沖雅也さんも、実に爽やかな青年です。

この映画では常田富士男さんも、浜村純さんも、加藤武さんもイイ人です。ヒロインに意地悪なステレオタイプの人物はいないのです。

十代のとき、この映画を「物足りないな」と思ったことを覚えています。しかし、今見直すと、ショットの一つ一つ、台詞の一つ一つが、実に心地よく、至福の時を提供してくれるのです。

『細雪』『おはん』といった吉永小百合さんの市川崑作品を、昨年、ずいぶん観ましたが、これらの習作(失礼!)といった感もありますが、實川延若さんが実にイイのです。商売下手な好人物、でも着物を下絵を書くのが大好きで、みたいな、芸術家肌の市井の京都のおっさん、という感じがイイです。

北詰友樹さんと、山口百恵さん、そして沖雅也さんがコーヒーを飲むのは、「イノダコーヒ」です。昭和29年という感じがしますね。『才女気質』の大坂志郎さんが通う、あのお店です。

シンプルな話ですが、構成が「金田一もの」のようでもあり、なんでもない場面がサスペンスだったりします。特に、時代劇でおなじみの糺の森での、沖雅也さんと山口百恵さんの会話は、まるで探偵ものの「真相が判明する件」のような演出ですが、なんのことはないプロポーズです(笑)