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このような技術者の蛮勇エピソ-ドが出てくるメ-カ-はダメな気がします。

H社もその手DNAを語りたがりますが・・・

極秘に開発継続したアイミ-ブって売れてますか?

開発中止命令が出たにもかかわらず継続できる組織体制が温床と思います。

身売りの話もあり中国企業が関心を持っていると・・・

系列銀行も支えきれないというか、見捨てられる段階に入ってきたのでしょう。


よくわかるネット記事なのでご参考まで。



三菱自動車の燃費データ不正問題で第三者委員会が設置され、いよいよ本格的な原因究明へむけた調査がスタートした。

相川哲郎社長ら経営陣は、「当時の性能実験部長が『私が指示した』と言っている」と繰り返し説明したが、このようなダイナミックな不正を一個人の裁量だけで進められるのかという疑問があちこちのメディアから指摘されている。

部長に詰め腹を切らせてウヤムヤにしようとしているのでは――。そんな「疑惑」も囁(ささや)かれる背景には、昨年あった部長級社員2人の諭旨退職がある。平成28年度に発売を予定していた新型SUVの開発が遅れていることを上司に報告していなかったことが発覚し、新型車の投入が遅れた「責任」をとらされたのである。

こういう話を聞けば、誰でも「ミスを上に報告できない空気なんじゃないの」と思う。実際、今回の不正発覚後の21日に開かれた同社の企業倫理委員会でも、同様の指摘があったという。

「風通しの悪さ」が今回の不正に結びついているか否かは、第三者委員会が明らかにしてくれるはずだが、三菱自動車が自分たちではどうすることもでないほど深刻な「セクショナリズム」に侵されていることだけは間違いないと思っている。

根拠は、「不正」を明らかにした20日の記者会見だ。

経営陣は「これから本格的な調査をしていく」を繰り返すのみで、積極的に情報開示をしなかったスタンスに、マスコミ各社は痛烈に批判していたが、個人的にはそこよりも注目したポイントがある。

それは、社長への報告スピードだ。

●三菱自動車の「常識」

燃費データに届出値との乖離(かいり)があることを指摘したのは日産自動車だ。昨年の11月ごろに気付き、12月に合同調査をしたいと三菱側に申し入れをした。それを受けて今年2月に2社の合同調査を実施し、分析結果で走行抵抗に差があるということが判明したのが3月末。その結果を踏まえて、4月から社内調査を行い、「不正」が判明して、品質統括部門長開発担当の中尾龍吾副社長に届いたのが今月12日。その翌日に相川社長が知ることになった。

「不正」だと確定してからは早いような印象を受けるかもしれないが、日産側が「乖離」を指摘してからは5カ月、自分たちもかかわる合同調査の結果が出た後も2週間も経過している。

共同開発した軽自動車の燃費データが届出値と違うというのは、自動車メーカーにとって、経営トップが陣頭指揮をとって、全力でマネジメントにあたるべき「危機」である。

その兆しが見えているにもかかわらず、2週間も社長への「不正の可能性」を進言しないというのは、三菱自動車的には「常識」なのかもしれないが、一般人の感覚では理解に苦しむ。

当然、会見場にいた記者からも、日産とやりとりをしている間になぜ社長に報告しなかったのかという質問が飛び出た。中尾副社長はやや戸惑いながら以下のように答えられた。

「日産とウチの開発のトップ同士がやっているので、普通ならそこで解決しているはずなんです。それが解決できていないからここまできたということ」

あくまでこれは「開発」が解決すべき事案で、それを差し置いて経営トップが強制介入するのは筋が違うというのだ。この主張を聞いて、すぐに「セクショナリズム」という言葉とともに、2000年のリコール隠し事件のことが頭に浮かんだ。

●三菱自動車は「隠蔽体質」

当時は記者になりたてでとにかく無我夢中だった。ボンネットから火がでたというデリカユーザーに話を聞いたり、経営陣の乗った三菱デボネアを追いかけ回したりしたことしか覚えていないが、ひとつだけ強烈な印象に残ったのが、当時の三菱自動車を覆っていた強烈な「セクショナリズム」だ。

例えば、会見で、当時の河添克彦社長は当初、意図的なリコール隠しを全面否定していた。しかし記者たちにそんなわけないだろと吊るし上げられると、たまらずひとりの幹部が、リコール隠しを認めてしまう。

「報告と違うじゃないか」

記者たちの前で動揺して幹部に問いただす社長の姿は、「君、それは本当か?」と工場長に詰め寄った雪印乳業の石川哲郎社長と丸かぶりだった。

その後、小説『空飛ぶタイヤ』のモデルになったタイヤ脱落事故も起こした2004年のリコール隠しでもこの流れは変わらない。記者会見した三菱ふそうトラック・バスのビルフリート・ポート社長は、自分のところにまったく情報をあげてこない社員たちに対して怒りをあらわにした。

「これは隠蔽のコーポレートカルチャーの結果だった」

報告をしない。事実と異なる報告をする。そして、不正を隠す――。こうした三菱自動車社内の空気を、メディアはポート社長のように「隠蔽体質」と報じていた。

が、よくよく考えてみると、「上」に情報をあげないというのは、「上」を信頼していないということであり、もっと言ってしまえば、「自分たちしか信じない」という現場のセクショナリズムのあらわれのような気がする。

実際、経営評論家の故・梶原一明氏が評した言葉が、不正続きの三菱自動車の「空気」を的確に表現しているような気がしている。

よく言えば、個を尊重して他人の仕事に口出ししない。悪く言えば徹底的なセクショナリズム。

これは三菱重工以来の伝統で、他部門に口を挟まないのが企業文化として定着している。その結果、社内批判がなくなった。(週刊朝日2000年9月8日)

●「技術屋」という世界の「正義」に基づいて動く

開発部門に「個」を尊重するカルチャーが強ければ、「組織」のルールを軽んじる空気、つまり不正に対する罪悪感のまひがあったというのは容易に想像できる。事実、かつてそのようなルールを破り、それを誇らしげに語っていた三菱自動車の技術屋がいる。

なにを隠そう、相川社長だ。

2014年に社長になった相川氏は、父・賢太郎氏が重工の会長、社長を歴任したピカピカの三菱サラブレッドだが、その一方で開発畑を歩んできた「技術屋」としても知られた。だから、新社長就任の際には、こんな職人気質がアピールされた。

リコール隠し事件発覚後、「仲間のエンジニアが相次いで会社を去ったのはつらく悲しかった」と語るが、ダイムラー傘下で開発中の軽自動車「i(アイ)」に開発停止命令が下ったときは「開発コード」を変更してまで極秘裏に続行。

誠実で偉ぶらない性格だが、iのボディーをベースにした世界初の量産電気自動車「i-MiEV」も「あのとき、中止していたら作れなかった」と、技術屋魂を燃やす頑固さもある。(PRESIDENT 2014年4月14日)

カッコいいエピソードに仕立てあげられているが、これは冷静に考えれば「命令無視」だ。コードを変更してまで開発を続行したのも「隠蔽」ととれないことはない。

「上」の命令に従わず、「技術屋」という世界の「正義」に基づいて動く。このようなカルチャーが燃費データの改ざんというユーザー目線の欠如した不正に走らせたことはないのか。

NASA(アメリカ航空宇宙局)でかつて興味深い調査が行われた。現役の操縦士と副操縦士をフライトシミュレーターに乗せて、事故の可能性を知らせるシグナルを発してから、事故が起きるまで彼らがどのような行動をとるのかモニタリングしたのだ。

そこで、誤った判断を下す確率が多いのは、「腕に覚えがある親分肌の操縦士」だったという。

●頑固な技術屋が陥る「落とし穴」

なぜ「徹底的なセクショナリズム」が蔓延(まんえん)するのかといえば、「個」が腕に覚えがあるからだ。他人の仕事に口出しをしない。その代わり、オレたちのやり方にも口を出すな――。そんな「頑固な技術屋魂」が、「ミスを上に報告しずらい空気」を生み、「報告できないミスを隠蔽してしまえ」という不正につながった可能性はないか。

「技術」こそが社会の発展を支えてきたという考えが強い日本では、「職人」というだけでなにやら聖人君子のようにあがめたたられることが多い。頑固だが、自分たちの技術に誇りをもっているので、とにかく「不正」などに手を染めるわけがない、と思われている。

個人的には「果たして、そうなのか」と首をかしげる。「頑固な技術屋」だからこそ、柔軟な対応ができず「自分の欲しい答え」がどうやってもでないときに「不正」に走ってしまうのではないのか。

第三者調査委員会が真相をすべてつまびらかにすることを期待したい。

(窪田順生)