今や不登校は珍しいことではなくなった。だが、いざ自分の子どもが「学校に行きたくない」と訴えてきても、「気が済むまで好きなようにしなさい」と心穏やかに言えるだろうか。

 

  申し訳ないが全然分かっていない。分っていないから不登校になってしまうのだが‥。

 

 小学校へ上がる前から前兆は察知できる。それができないから不登校にしてしまう。

 

 それ以前に、不登校にならない子育てをすればならずに済む。⇒「愛情+自己決定の行動」の保障をすれば大丈夫。

 

 不登校になり易い性質がある。⇒内向的な性質。性質とは生まれつきのものだから一生変わらない。性質を核にして性格が形成される。どのような性格を形成するかが環境である。不登校は環境要因が大部分である。※子供が潰れるのは、ほとんどが環境要因である。基本的に悪い対応の結果だ。「好き=能力」と捉えて良い。好きな事はやらせて、嫌いなことはやらせないことが大事。

 例、好き嫌いなく食べさせてはダメ。嫌いな食べ物は身体が受け付けていないと捉えるべき。筆者は牛乳が嫌いだから一本も飲んだことがないが、いたって健康である。嫌いな物は絶対に食べない。教職で最もネックだったのが給食、嫌いなメニューが多かったことだ。実は好き嫌いが人一倍ある。

 飲み食いしないと「先生、何で牛乳飲まないの?」と必ず聞かれる。一言「嫌いだから」と応えると、ホッとしている子供が必ずいる。盛り付けられた給食で、「嫌いな物は手を付ける前に食管に戻す」が基本だった。

 

 申し訳ないが、不登校になり易い保護者の姿勢がある。子育てに真面目過ぎる。真面目な割にはきちんと子育ての学習をしていないから、結果としてマイナスになってしまう。多くの親は自分の思い込みで子育てをするが、真剣に押しつけず、いい加減だから大丈夫だ。

 

 多くの家庭は子供のことに、それ程真剣にはならない。小学校の入学も至極当然のこととして受け止めるだけ。「行けばいい」というノリだ。

 

 

 「真剣にはならないが、蔑ろにもしない」という程度で、これが適度なレベルになる。親が「さあ、小学校だ」と構えて緊張するのが良くない。それが伝わり子供の緊張が増す。いわゆるプレッシャーが必要以上にかかる。

 

 小学校1年生であれば、登校を渋っても「行きたくないという気持ちは分かるよ。お母さんも行きたくないことがあったから。でも行こうね」と言って送り出す。これを続ければ良い。その程度では登校しなければ、強制登校を2ヶ月を目途にすれば登校するようになる。この場合、「いくら泣いてもわめいても良いよ。でも絶対に学校へ連れて行く」という毅然とした態度で続けることが大事である。

 これは、行動療法のフラッディング法(強制登校法)というやり方だ。小学校3年生までは、かなり有効な方法と言える。登校するしつけと言える。しつけであるから、2カ月間は「し続ける」ことが大事だ。

 

 強制登校で連れてきた子供を受け取る場合、「いくら泣いてもわめいても良いよ、でも必ず教室に連れて行く」と宣言して受け入れる。3年生で、これをやった時、翌日上半身の筋肉痛、初め分からなかった。昨日暴れる子供をしっかりと押さえたためだと理解できた。思い切り暴れると3年生でも力が強い。子供は数日で観念した。

 

 基本的に3年生までは強制登校である。4年生以上は情緒の安定を第一に、先ずはしっかりと休ませる。上手くすれば3日くらいで、しっかりと威勢をつけるとガラッと変わって登校する。実際に中学2年生と高校1年生で経験している。親がガッチリと威勢をつけて翌日から人が変わったように登校した。この親の態度が父性である。一例は父親で、もう一例は母親だった。しっかりと休ませるというのは登校刺激を与えないで休ませることである。3日も休めば心身の疲労も通常は回復する。

 

 一番悪い対応が、「好きにしなさい」と言って、あれこれ気をもむことである。子供は全然休まらない。この対応が、残念ながら非常に多い。ノンバーバルコミュニケーションで多くのことが伝わっている。言語と非言語を一致させた対応が最も大事であるが、多くの人には難しいということも理解している。だから、不登校がダラダラと長引いてしまう。

 

 教育で、2割の厳しさは欠くことができない。しかし、現在の学校は8割うるさいから話にならない。家庭に告げ口をすれば良いと思い込んでいる教師は多い。忘れ物や宿題で、いちいち家庭に連絡しているようではプロではない。

 

 教師がキチンと指導する場は、給食当番、日直、教師の居る掃除場所の3つだけで良い。後は文句を言わずに大目に見ていれば良い。これで学級経営すれば、不登校もイジメも発生しない。叱る場面も、人を傷つける、物を盗む、物を壊すの3つだけである。‥‥これが、教師としての父性(厳しさ)の発揮である。

 

 不登校の防止で最も大事なのは父性の発揮である。体験した数百例の不登校の相談で共通するのが父親の存在感がない事だった。

 

  本ブログで記していることは、組織のトップでいるときには、聞かれない限り絶対に言わない。なぜか、部下に言うとプレッシャーになるだけだからだ。言っても出来ないことが分かっているからだ。人間はできることを今やっている。今やれていないというのはできないからだ。

 

 本ブログは読んで参考にするかしないかは、読者の自由である。職場ではプレッシャーにしかならない場合が多い。少し示唆するくらいが精々である。絶対に押し付けてはいけない。

 

 ホモサピエンスは、押しつけ過ぎる。